「おもてなし」ができて「サービス」が悪い国日本

思う事

そもそも「おもてなし」ってどういう意味?

2013年に東京オリンピックが決定した時に、滝川クリステルさんが言った「お・も・て・な・し」という言葉で、一躍誰もが知って使う言葉になりました。

おもてなしとは、「もてなし」に丁寧語「お」を付けた言葉であり、その語源は「モノを持って成し遂げる」という意味だそうです。

また、「おもてなし」にはもう一つ「表裏なし」という語源があるようで、表裏のない「心」でお客様をお迎えするという意味だそうです。

人によっては捉え方が違うかもしれませんが、「おもてなし」を一言で言い表せば「相手を察する・思いやる」ではないでしょうか。

おもてなしとサービスの違いとは

◆おもてなし
おもてなしを受ける側に心から喜んでもらいたいとの思いから、もてなす側がしたいと思う事のすべてを自発的に行い、もてなす側とおもてなしを受ける側のお互いが幸せになること

◆サービス
サービスを受ける側がサービスを提供する側に、サービスの対価として商品や労務を提供することで、お互いの欲求を満たすこと

簡単に考えると、おもてなしは受ける側が想定していないことをもてなす側の考えで行う事、それに対してサービスとは受ける側が想定していることを対価を支払い受ける事です。

なぜ日本のサービスは悪いのか?

では、なぜ日本という国はおもてなしができるのにサービスが悪いのでしょうか?そもそも「日本のサービスは世界でも上位クラスだ!」と言われる方もいらっしゃるかと思います。しかし、海外の目からみると日本のサービスは意外と勝手が悪いようです。

例えばレストランでの一コマ。私は海外の友人を連れて日本のレストランに入りました。そこでハンバーグ定食を頼みました。友人は目玉焼きハンバーグ定食を頼んだのですが、目玉焼きを2つにしてほしいと頼みました。しかし、店員
の答えは「できません。」でした。

友人は「なぜできないのですか?追加分の料金はお支払いします。」と再度伝えましたが、「メニューにないのでお受けできません。」とのことでした。

例えば欧米社会では、自分の食べられないものを抜いてもらう、何かを追加するなどは伝えれば大抵の場合やってくれます。しかも無料で受けてくれる場合もあります。

そのような対応に慣れている欧米人からすると、日本のレストランのサービスの質は決して高いとは感じないでしょう。

なぜ日本では、このような対応がでいないのでしょうか?それは、日本のサービス業従事者のほとんどがマニュアルに従って動いているからです。

マニュアル通りでしか動けない日本のサービス業

私もスーパーで買い物をするときに思うのですが、相手の顔を一切見ずに「120円、345円~」など、商品をどんどんバーコードに通して全ての商品を通し終わると、合計金額を伝えて「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております。」と決まりきったセリフを伝える流れ作業です。

次のお客にも同じセリフで対応するので、自分の番が回ってくる頃にはセリフの内容を覚えてしまうほどです。

本当にまた来てもらいたい気持ちがあるのであれば、相手の目を見るくらいはしてほしいですね。それでなければ、逆に何も言わない方がよっぽどいいです。

アメリカに住んでいた当時は現地のスーパーで買い物をしましたが、店員とお客さんの距離感が本当に近くて、友達と話しているかのように世間話をします。

後ろに人が待っていてもお構いなし、しかも並んでいる人はそれを気にすることもありません。というか、後ろの人たちも話に参加したりします。

文化の違いですが、一方ではマニュアル通りのセリフを読み上げる店員、もう一方では和気あいあいに話をする店員(長話で疲れる時もあります)です。

日本はオリンピックまでにサービス力を向上させべき

2020年の東京オリンピックが、新型コロナウィルスのせいで1年延長されましたが、実際には2021年になってみないと開催するかどうかはわかりません。

しかし、オリンピックを抜きにしても、日本は観光立国として近年海外からたくさんの観光客が訪れています。コロナが落ち着けば、また海外の観光客は徐々に増えてくると思いますが、それまでに日本のサービス業の質を向上させるべきです。

日本に旅行に来た観光客が日本での素晴らしい体験を国に帰って、周りの家族や友人に話しをすれば、それが広がって更なる観光客の誘致を見込めます。

日本は本当に素晴らしい国なのに、その素晴らしさを上手にプレゼンするのが得意ではありません。ですので、実際に来た人が見て体験することが一番のインバウンドビジネスになるのではないでしょうか。

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