この時期の子どもたちは遊びや観察から色々なことをものすごく吸収することができます。この時期の子どもたちにとって「お金」という概念を紹介する事は非常に意味のある事だと思います。子どもたちにお金について教えていくための各ステージを用意していきましょう。子どもにとっては初めての経済という世界に足を踏み入れることになるので、親としてどのようにして教えていくのかをこれから紹介していきたいと思います。その前に、まず心構えとして覚えておいていただきたいことは、子どもと一緒に親が楽しむことです。
3-4歳向けお金の教育キーコンセプト
・お金は働くことによって稼ぐことができて、物を買うために使うことを説明する。
・子どもと買い物をするときはクレジットカードではなく現金を使う様にする。
・それぞれの小銭の違い、お札の違いについて説明する。
・お金を数える、算数の基本、1円玉が5枚で5円玉と同じなどのお金の概念を説明する。
遊びから学ぶこと
この時期の子どもたちにとってお金という概念はまだ曖昧なものですが、お金の基本について紹介し、お金はどのようにして使われるのかなどを説明する事は出来ます。お金を使って遊ぶことによって、算数の基礎になる事を自然と学ぶことのできる良い機会になります。とにかく子どもが興味を持って楽しく学べる環境を提供していきましょう。ここから、どうやってお金について楽しく学ぶことがでいるかについてのアクティビティを紹介していきます。
・小銭を積み重ねて遊ぶ
・小銭を一緒に数えたり、同じ小銭をグループ分けする
・小銭の表面と裏面に何があるか、お札の表と裏に何があるかなどを話す
・透明の貯金箱を用意して小銭がある度に小銭を貯金する(時間をかけてお金を貯めるという事を可視化して理解できるため、そして貯金の概念の基本を理解させることができます)
・お店屋さんごっこをしておもちゃのお金を使って買い物体験をする
お金について子どもと話すこと
子どもと一緒に買い物に行くことが、現実社会でお金がどのようにして使われているかを説明するためのベストな方法です。買い物をしながらお金の価値について話したり、賢い買い物の仕方を実際にみせたり、子どもたちが学んだことをキャンディーなどちょっとした物を実際に買うことによって学びを実践することが出来ます。このような経験を通じて子どもたちはお金の基礎について学ぶことが出来ます。
例えばスーパーマーケットでは、どんな理由でその食材を購入決定するのかを子どもと話し合います。商品の価格、原料や栄養、割引があるかなどについて話をすることができます。
子どもたちは何かを決める事がとても好きなので、スーパーに買い物に行く何回に一回は何か子どもに小さなお菓子などの購入を自分で決断させてみてください。その時に大切なことは、スーパーに行く前に子どもと「どんなお菓子を選択するのか」「いくらの金額を使う予定なのか」など予め話し合っておくことです。
この年齢の子どもと買い物に行くときは、できるだけクレジットカードを使うのではなく、現金で買い物をするようにしてください。実際に小銭やお札をやり取りしていることを見せる事で、お金がどのように支払われているのかを見るという経験をすることが出来ます。
小銭を貯金する
余った小銭を透明の貯金箱に入れる事から始めましょう。楽しくてやりがいのある方法で子供にとって良い貯蓄の習慣の基礎づくりをするのに非常に効果的なスタートです。貯金箱に小銭が貯まっていくのを見る事は、貯蓄と節約という事を理解するための基礎になります。
「遊びから学ぶ」所でも書きましたが、貯金箱は透明なものを準備してください。この貯金箱の役割は、子どもたちにとって小銭を貯めることによって、お金が蓄積されるという概念を可視化して教えるものです。日に日に増えていく小銭を見ながら子どもたちと一緒に喜んであげてください。
この貯金箱に小銭を貯める際に、1つルールをつけてください。例えば1週間に1回、その貯金箱から100円を使って、子どもが何か欲しいもののために使えるなどのルールを設定します。1週間に1度、子どもは実際に自分のための買い物の経験を積むことが出来ます。自分で考えてショッピングするという体験はこの時期の子どもたちにとって大切なものです。だからと言って貯金箱の中にある小銭が明らかに減ってしまうような額を使うようなことはしないように注意してください。
子どもと一緒に銀行に行く
この年齢の子どもたちにとってとても大切な事の1つに、実際に銀行に行ってみる事があります。銀行という場所は大切なお金をしっかりと安全に預かってくれる場所なのだと説明して上げましょう。
銀行に行く用事がある時、是非子どもを一緒に連れて行ってあげてください。そしてそこで働いている人たちがどんなことをしているのか、子どもたちに見せてあげましょう。
銀行の説明をするとき、いつも家で使っている透明の貯金箱の話をしてください。貯金箱は小さいお金を貯める事が出来るもの、そして銀行とは大きなお金を貯める事が出来る安全なところであると説明しましょう。子どもは日々貯金箱を見ているので、おおよその概念は理解できるはずです。
親としてお金の使い方の良いお手本になる
3-4歳の子どもはお金の全てを理解するのにまだまだ若すぎますが、お金に対する親の行動をよく観察して吸収するには十分な年齢です。そういった意味で、あなたが親として子供の良いお手本になりましょう。あなたのお金に対する考えや行動が、あなたの子どもが将来お金に関してどのように考え行動するかのキーになります。
子どもの良いお手本になるように、まずは次の事が実践できるかどうか自問してください。
・お金をどの様に管理するかわかっている
・お金についてどの様に子どもと話をするかわかっている
・お金について家族や友人とどうやって話すかを心得ている
・仕事についてどう説明するかわかっている
・お金に関するあなたの考えがまとまっている
あなた個人のお金に関する考えがどういうものであれ、この時期の子どもたちには極端な話をする事は避けてください。お金を使うことを極端に厳しくしたり、またはなんでも自由に使わせたりすると、子どもとお金の長きにわたる関係に影響をあたえる可能性があるので気を付けてください。
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