前回のブログでは、これからの時代子どもを育てていくのに資産運用が必要になること、本当の意味でのリスクについてみていきました。前々回のブログの「子ども1人育てるのにいくらかかるか知っていますか?」で子供1人を育てるのにかかる金額を明確化しました。そのうえで、実際に仕事して手に入る生涯年収、生涯支出なども計算しました。
これからの時代は100年人生と言われているので、今まで以上に長生きをする人が増えていきます。そうすると仕事を定年した後は、年金(今より確実にすくなくなりますが)とそれまでに蓄えてきた貯蓄を切り崩して生活していくことになります。
長生きすればするほど貯金が少なくなってくる心境を考えると、セカンドライフを満喫することが出来ません。そのためにも今から資産運用について学び実践していくことが大切なのではないかと思います。
そこで今回は、子育てをする上で実際にいつまでにどれくらいのお金を用意しなければならないのかを見ていきたいと思います。
ある子育て世帯の生活費をシミュレーションしてみる
子育てをするのに必要になるお金は各家庭によってかなり差があると思います。ここでは一般的と言われる世帯を例にして考えていきたいと思います。
【世帯の家族構成】
父親:40歳 サラリーマン 年収500万円
母親:35歳 パート 年収96万円
長女:9歳 小学校3年生
長男:5歳 保育園年長
貯蓄額:420万円
ローン:住宅ローン 月額10万円(残り28年)
このご家庭の場合、父親の年収が500万円という事で、月の手取り額がおおよそ33万円程になります。母親の手取り額は月額約8万円なので、世帯合計で41万円になります。そこから生活費がかかってきます。生活費は以下の内容で考えてみましょう。
住居費:12万円
食費:6万円
水道光熱費:2万円
通信費:1万円
被服費:1万円
医療保険費:3万円
交通費:2万円
教育費:3万円
旅行・娯楽:3万円
夫婦小遣い:3万円
合計:36万円
世帯手取り額41万円から生活費36万円を差し引くと5万円残ります。この5万円を毎月貯蓄に回します。このご家庭はまだ子供が小さいので教育費や食費はそんなに高くありませんが、子どもが大きくなってくると更なる支出が増えてきます。携帯を持ったり、おこづかいをあげたり、食事の量が増えたり、塾に通ったりします。
10年後に必要な費用は?
このご家庭の10年後は長女が大学1年生、長男が中学3年生です。その時にかかる生活費を見てみましょう。
住居費:12万円
食費:8万円
水道光熱費:3万円
通信費:2万円
被服費:1万円
医療保険費:3万円
交通費:3万円
教育費:14万円
旅行・娯楽:2万円
夫婦小遣い:3万円
子ども小遣い:1万円
合計:52万円
10年前と比べて16万円も支出が増えています。その主な要因は長女の大学の学費です。夫婦の収入が10年前と全く変わらない場合、この家庭は10年後月11万円の赤字になってしまいます。これを回避するためには夫婦の収入をあげる事が必要になります。
具体的な解決策としては母親の収入をあげる事です。10年前はパートで月8万円の収入でしたが、月19万円の仕事をすれば月の収支がトントンになります。もし貯蓄をする場合、それ以上稼ぐ必要があります。
話は少し変わりますが、10年前の家庭の貯蓄額が420万円でした。月5万円貯金ができるので、そのまま10年間貯蓄を続けていれば600万円が貯まり、貯蓄合計は1020万円になります。
上記の1020万円は貯金をした場合です。仮にそのお金を投資した場合、どの位違ってくるのか考えてみましょう。
貯金VS投資
10年前の420万円を5%で10年間運用した場合、2,717,440円の利益が出ます。元金と併せて6,917,440円になります。さらに月5万円を元本に足していくのであれば、10年後の支払い総額10,200,000円に対して、利息が4,513,831円つくので合計14,652,778円になります。
【貯蓄10年間】
元本:10,200,000円
利息:665円
合計:10,200,665円
【年間利回り5%投資10年間】
元本:10,200,000円
利息:4,513,831円
合計:14,713,831円
銀行にお金を預けておくのと、年間5%で運用した場合、10年間で得られる利益にはこれだけ差がでるのです。仮にこれをさらに10年続けると以下のようになります。
【年間利回り5%投資20年間】
元本:16,200,000円
利息:15,830,215円
合計:32,030,215円
元本のほぼ2倍になりますね。複利の凄さは時間をかければかけるほど伸びていくことです。
元本を増やすことの大切さ
上記の場合、毎月5万円を足していくことによって達成できる金額です。この月5万円を7万円、10万円と増やしていくことが出来るのであれば、そのリターンは更なる大きさになってきます。
【月7万円の場合の利息】
10年運用
元本:12,600,000円
利息:5,232,410円
合計:17,832,410円
20年運用
元本:21,000,000円
利息:19,285,126円
合計:40,285,126円
【月10万円の場合の利息】
10年運用
元本:16,200,000円
利息:6,310,289円
合計:22,510,289円
20年運用
元本:28,200,000円
利息:24,467,512円
合計:52,667,512円
このようにして月々投資できるお金を増やすことによって、子育て時代だけでなく老後の資産形成もしっかりとできるようになります。今の時代副業が当たり前になってきているので、自宅でできる副業などで今の世帯収入から5万円や10万円アップさせて、その分を投資に回すことにより、老後の生活にゆとりが持てるようになってきます。
子どもが中学生くらいになったら、是非こうした考え方をシェアして10代から少額投資を始めるきっかけを与えてみてはいかがでしょうか?子どもが定年を迎える50年後にはどれだけの金額になっているのか、計算してみてはいかがでしょう?
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