コロナ太りという言葉が一般的に使われるようなって久しいですが、コロナ前と比べて体重が増加した人が増えています。その主な理由は、今まで仕事に行くために駅まで歩いたり、階段を上ったりと、自ら運動するつもりはなくても自然と体を使ってカロリーを消費する活動を行っていました。
しかし在宅ワークをはじめ、移動する事が極端に減ったことによって、外に出て歩くことが減りました。そうすると今までと同じ量の食事量であっても、カロリー消費するための運動を全くしていないので、その分脂肪となって蓄積され太ってきているのです。
人間は生まれてから20歳ごろまでは筋肉の組織は太く長くなっていきますが、20歳を過ぎると少しずつ筋肉量は減っていきます。70代の筋肉量は20代の頃と比べると約40%程しかありません。
特に30~50代の中年期にあまり運動をしないで過ごすと、筋肉が急激に減少してしまいます。そのまま運動をしない生活をし続けると、高齢者になって自分の足で歩けなくなったり肺炎や感染症、糖尿病などにかかるリスクが非常に高くなります。
子どもに迷惑をかけないために健康寿命を意識する
最近の研究で、75~84歳の後期高齢者の歩く速さと、10年後の生存率を調べたものがあります。その研究で分かったことは、筋肉の量が多い人程長生きできるという事です。普通の歩行速度(毎秒1.4秒以上)で歩くことがでいるグループと歩行速度の遅い(毎秒0.4秒以下)グループの10年後の生存率を比べたところ、3倍程の差がありました。
つまり歩く速度が速い(筋肉量が多い)人ほど長生きできることを表しています。今不健康で歩くのが遅かったとしても、運動や食事改善等でいくらでも挽回できますので、今から運動を習慣化し、身体に負担のない食事を心がけることによって、生存率を伸ばすことが可能になります。
寿命よりも大切なことは「健康寿命」です。たとえ100歳まで生きたとしても80歳から寝たきりになってしまったら、20年間も人の手が必要になります。つまり子どもに迷惑をかける可能性があります。
運動を習慣化することによって、年齢を重ねても筋力が衰えない身体をつくれば、100歳になっても自分の足で歩くことが出来る可能性も高まりますし、何よりも人生を謳歌できます。
筋肉量低下に伴う病気のリスク
運動をしないと、加齢に伴って筋肉量は確実に減っていきます。筋肉量が減るという事は身体の能力低下を引き起こすだけではなく、肺炎や感染症、糖尿病など、様々な病気のリスクも高まってしまいます。
筋肉とはエネルギーの貯蔵庫と言われ、血糖値の調整を行う働きがあります。ご飯を食べると血液中の糖が増えます。そのとき糖の一部は脂肪にも蓄えられますが、その多くは筋肉にため込まれます。
つまり筋肉の量が減るということは、この糖をため込んでおく場所が少なくなるという事なので、糖を調節する力が低下して血糖値が変動しやすくなってくるので、糖尿病になるリスクが上昇します。
2015年2月の厚生労働省研究班の報告では、筋肉量の少ない高齢男性は、筋肉量の多い高齢男性に比べて死亡率が2ばいになると結果がまとめられています。また、筋肉量が減ると免疫機能が低下し、肺炎などの病気にかかる人が多いとの報告もされています。
継続は力なり
小さな子どもがいる方の場合、後期高齢者になるまで30年や40年程の時間があると思います。なので今始めるモチベーションがなかなか得る事が出来ないのではないでしょうか。「仕事が忙しいから、落ち着いたら始めよう」「子育てしてるから運動になっているでしょ」など、運動をしないための言い訳は沢山あります。
しかし、運動を始めることや英会話の勉強を始める事など、長期的にコツコツ継続していくことを始める場合、その最初の一歩を踏み出すのが一番大変です。しかし、一度習慣化してしまえば、運動をしない事が気持ち悪くなってきます。
「運動をする」=「きつい」ではなく、運動を長期的に続けるためには、軽い運動から始めて、体が慣れてきてから徐々に体に負荷をかけていくようにすれば、挫折せずに運動を習慣化する事が出来ると思います。
自分のため、自分の子どものためにも、いつまでも若く健康な身体で老後の生活を楽しめるように、今から出いる事をやっていきましょう。
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