両親が日本人で日本に住みながら子どもをバイリンガルにできるか?

幼児教育

多くの親御さんが自分の子どもを英語と日本語が話せるバイリンガルに育てたいと考えています。そんな多くの親御さんの環境は両親共に日本人で日本に住んでいるでしょう。この問題の答えから言うと、「両親が日本人で日本に住みながらでも子どもをバイリンガルにすることはできます」。ただし、当たり前ですが、それには親としてそれなりの努力を伴います。

まず日本人の多くは自分はモノリンガル(単一言語話者)だと思ってるでしょう。しかし、中学生の頃(今は小学生)から高校までの6年間、大学まで入れれば10年間という長い時間英語を勉強してきています。英語で1から10まで数えられますよね?リンゴを英語で言えますよね?こんにちは、お元気ですか?今何時ですか?どこから来ましたか?何歳ですか?何時に起きますか?図書館はどこですか?ほとんどの日本人は、これらのほとんどを英語で言えますよね。

上記レベルの日本語を話せる私のアメリカ人の友人は”I can speak Japanese”と平然と言っています。しかし多くの日本人は彼の日本語力よりはるかに高い英語力を持っているのに、「英語なんて話せない」と言っているのが現実です。この「英語が話せない」という感覚は「英語を勉強」だと思っているからです。学生の時に英語は学問でテストで点数が出て、成績となって数値化されてきました。文法が間違ったり、単語がわからなければ「X」になります。

しかし言語とは本来そういう物ではありません。言語はあくまでも他者とコミュニケーションをとるためのツールに過ぎないのです。外国人と英語を使って話すときも同様です。こちらが間違えようが、一生懸命に伝えようとすることにって相手はあなたの意図する事をくみ取ろうとします。これこそコミュニケーションなのです。

例えばあなたが町中で外国人に片言の日本語で道を聞かれたとしても、その意味は理解できますよね?そしてその人に道を教えたり、近ければ一緒に行ってあげたりしますよね?これがコミュニケーションです。その人は目的地にたどり着くことが目的だったので、無事に目的を達成できました。

話も戻しますが、多くの日本人はある程度の英語力を持っていますが、それをアウトプットする機会がほとんどなかったため、英語を話す訓練が出来ていないだけです。そういった事実を前提に、子どもバイリンガル教育について説明していきます。

子どもの育っている環境を再認識する

まずは、現在子育てをしている環境を再認識しましょう。これから4つの環境を説明していきます。今現在いる環境から将来的に別の環境に移れることが出来るのか、できないのかなどを考慮しながら読んでください。

環境1:親1(日本語)、親2(日本語)、コミュニティ(日本語)

これを読んでいるほとんどの方はこの「環境1」にあると思います。この場合家では日本語で子どもと接し、保育園や幼稚園、または学校でも日本語で教育を受けています。そうした日常では英語に触れる機会が全くありません。この場合は、親が自発的に子どもが英語に触れることが出来る環境を作ってあげる事がとても大切です。

今の時代はテクノロジーの進歩もあり、以前よりはこうした環境を作ることが容易になりました。例えばテレビでNETFLIXなどの映画やアニメを英語で見る、英語の絵本を読んであげる、オンラインで海外に友人を作る、近所に海外の家族がいるのであれば家族ぐるみで付き合うなど、いくらでもできる事はあります。

英語に自信がないとしても、できるだけ英語で子どもと接する努力をしましょう。「手を洗って」「パジャマに着替えて」「歯をみがいて」「ご飯できたよ」など日常でよく使う言い方は簡単に覚えられますので、そうした英語を覚えて子どもに使ってみましょう。親が英語を使うことによって、子どもは「英語を使うことは特別なことではない」という認識になります。日本に住んでいる場合、外で英語に触れる機会があまりないので、英語を使う事について躊躇しないためにもこうした環境作りは役立ちます。

ここで注意してもらいたいことは、年齢が小さい子どもに対して英語を勉強として関わらせることは絶対に避けてください。上記でも述べたように英語はあくまでも他者とのコミュニケーションのツールです。英語を勉強としてテキストで勉強したり、興味のない段階で無理やりアルファベットを書かせたり読ませたりすると、子どもは英語嫌いになってしまい、その後英語をシャットアウトしてしまう可能性が高いです。それよりも英語の環境に身を置いて楽しい経験をたくさんさせる事が大事です。

環境2:親1(日本語・英語)、親2(日本語)、コミュニティ(日本語)

両親とも日本人の場合で、どちらかが英語を話すことができる場合、彼または彼女は子どもとコミュニケーションをとる時、日本語ではなく英語を使うようにしましょう。子どもにとって英語で会話できる一番身近な人になるので、英語を話す親にとっては負担になりますが、頑張ってみましょう。子どもが大きくなってきた場合、親以外にも英語で話をすることができる人や仲間が必要になってきます。今の時代はオンラインでいくらでもそういった環境を作ることができますので、積極的に行ってください。

環境3:親1(日本語)、親2(日本語)、コミュニティ(英語)

この環境は例えば駐在員などで英語圏の国に行った場合、家の中では日本語を使いますが、家の外ではすべて英語の環境になります。この場合、英語圏で生活することになるので、両親のどちらかもある程度は英語を話すことができる場合がほとんどなので、子どもがある程度の年齢になってから英語圏に行った場合、英語の環境に慣れるまでは自宅でも親も子どもと一緒に英語を学んだり、できる範囲で英語のサポートをするようにしてください。

ただし子どもの吸収力は大人の想像をはるかに超えるので、小学校低学年で英語が全く話せない状態で英語圏に行ったとしても半年ほど経てばクラスメイトと普通に英語で会話しています。

環境4:親1(日本語・英語)、親2(日本語)、コミュニティ(英語)

この環境下では英語が話せる親は常に子どもと英語で会話すことによって、子どもの英語力はネイティブになります。反対に日本語力が心配になるので、自宅で、もしくは日本語の補習校などでしっかりと日本語を学ぶ時間を設ける必要があります。

子どもの祖父母と毎日オンラインで電話したり、日本に友達がいる場合は日本の友達と話したりすることで、日本語に触れる環境を作ることができるので、こういった手法で日本語時間を作ることも大切です。読み書きに関しては自宅、または補習校でしっかりと勉強する時間をつくりましょう。日本に帰国する予定がある場合、日本に帰ってきてから日本の学校に通ったときに漢字力に差がでり、日本語の読解力が乏しくなったりすることもあるので、しっかりと日本語を学ぶようにしましょう。

今の環境から新たな環境へ変化させる

上述しましたが、このブログを読まれている方のほとんどは環境1のご家庭だと思います。そのようなご家庭が別の環境になるためにはどうすればいいのか?最後にこれについて書いていきます。

まず環境2にするためには親のどちらかが子どもと一緒に英語を学びながら、生活に英語をいれていきましょう。完璧な英語を話す必要はありません。子どもが小さいご家庭の場合、簡単な単語やよく使うフレーズを英語にするだけでも大丈夫です。あとは家の中に英語の環境を作るようにして下さい。

日本に住みながら環境3にするにはインターナショナルスクールなど、英語で生活できる環境を提供することです。週1回など英会話スクールにいれたとしても、子どもの英語力は全く伸びません。英会話に行くとしても最低週4回、1日3時間などの時間を費やす必要があります。しかし現実的には無理なので、その場合は外国人の友達を作ることです。

日本に住んでいる外国人ファミリーは日本語がある程度話せる場合がほとんどです。また、両親のどちらかが日本人であるご家庭もたくさんいるので、そういったご家庭の方々と交流することもいいと思います。

とにかく子どもにとって英語とは身近な言語であるということを認識してもらうように努めることです。親としてある程度労力はかかりますが、自分の子どもの将来のことを考えれば努力を惜しむものではありません。是非、環境づくりを成功させてください!

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