先の見えない世の中で子どもたちに安心感を与える方法

子育て方法

新型コロナウィルスによって世界は一変しました。人間の死、病気、孤立、そして経済の不安定という日々に直面してきました。人間のもつ動物としての本能が今回のパンデミックを「危険」であると判断してから1年以上も時間が過ぎました。

緊急事態宣言が出されて、人々の生活は今までにはない方法を取らざるを得なくなりました。外出する事を控え、仕事も自宅で行ったり学校も休校になったりしました。友達と遊びに行ったり、遠く離れた家族に会う事すら制限されました。何度か緊急事態宣言が繰り返されてきましたが、いつ通常の生活に戻れるのか、そもそも今までのような生活に戻れるのかもわからない、非常に不安定な先の見えない世界を生きています。

そんな中、世界的にはワクチン接種が進み、国によっては「通常の生活」を取り戻したところもありますが、日本ではまだワクチン接種があまり進んでいないのが現状です。しかしワクチン接種とコロナ発症で抗体を持った人の数が増えてくれば、自ずと感染率は低くなってくるのでしょう。

今回のこうした世界的パンデミックは長い歴史で見ると、何年かに1度訪れる大惨事の1つでしかありません。2001年の9.11、2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災など大きな災害は次から次へと起きています。こうした大惨事が起こると人間は精神的に不安定になります。

今回のパンデミックの場合、出口が見えない時期が非常に長く続いているので、今までの大惨事と比べて人々の感情的及び肉体的ダメージが大いと推測されます。これは大人である私たちだけの問題ではなく、最も潜在的に被害を被っているのは子どもであると考えられています。実際に多くの専門家が、子どもの「心の健康」の低下がパンデミックの次の「波」になると予測しています。

今の子どもたちは、短期的な不安やストレスだけではなく、これからの未来についてのより大きな不確実性の世界を生きていかねばなりません。親としての私たちが子どものためにすべきことは、子どもたちに「安心と安全の感覚」を与えてあげる事です。

そうすれば子どもが落ち着き、快適に、健康で幸せな生活を築く基礎をつくることができると願いますが、実際私たちは世界がそれほど安心でき安全な場所ではないかもしれないことを知っています。そして実は子どももそれに気づいているのです。

不安定な世界でどうやって子どもに安心感をあたえるのか?

何よりも大切な事は、子どものニーズに取り組む前に、まず親である私たちが自分に対する出口の見えない不確実的将来の影響を認識する事から始める事です。私たちは親として「子育て」というストレスの多い仕事に従事しています。そんな状況下では、私たち親自身の「心の健康」を上手に管理する事がとても重要です。

親の心の精神が安定した状態で困難な問題に取り組むことが出来れば、私たち親としてはるかに効果的な子育てが出来ます。自分のストレスや恐怖をしっかりと管理することができれば、子どもに対して良いロールモデルになる事が出来ます。

そうした心の健康を手に入れるためには、できるだけ睡眠時間を取り、きちんとした食事を心がけ、適度な運動をすることです。私たちは子育てと仕事という責任を全うするだけでなく、ひとりの人間として好きなことをしたり、友人と一緒に遊ぶ時間を作る必要があります。

また、現在心の精神バランスが安定していない人は、投薬や心理療法、サポートグループなどを検討する事も必要です。人としての健康や幸福を手に入れるためには、できる事は何でもやらなければなりません。これが最優先事項です。

子育てにおける私たちの目的は何なのか?

親としての私たちの心の健康状態が安定したら、次にしなければならないことが「子育てにおける私たちの目的」は何なのかを自問する事です。一般的には子どもが安心して健康的に幸せな人生を送ってもらいたい事を望んでいるので、この質問自体が変な質問のように捉える方もいるかもしれませんが、人によってその目的は違います。

長期的な目標に向かって物事に取り組むことよりも、子どもの短期的な幸せを大切にしているのか?子どもは友情をはぐくんだり、自分が興味のある事を探求したりすことに焦点を当てたほうが良いと思うか?楽しさや遊びを優先するよりも勉強や規律を守ることを大切にしているのか?それが何であれ、この困難な時代にどうやって取り組むかを決めるために、私たちが子育ての目的を理解する事が重要だという事です。

次に、こうした不安定な時代には特に、子どもの話をしっかりと聞いてあげる必要があります。理想的には常に子どもの話を聞いてあげるべきですが、現実的には難しいので、可能な限りそうした時間を作ってください。

今の子どもは自由にインターネットを使い、ソーシャルメディアにアクセスできる世界に住んでいますが、私たちの子ども時代は全く違う世界だったので、直感的に現代の子どもの感覚を感じ取ることが難しいかもしれません。

私たちは子どもが親のお酒をこっそり盗んだかどうかを知る事は得意かもしれませんが、子どもがどのウェブサイトにアクセスしたかを知ることはあまり得意ではありません。そうした子どもの情報を知るためにも、子どもとの対話はそのつながりを構築し、子どもの心の健康状態を知る上で最も重要なツールになります。

さらに、親である私たちが自分んたちの健康状態を確認するのと同じように、不確実性の高い世界に住んでいることに対する子どもの心の状態を確認する必要があります。

その時に、世界が平和で安全な場所であるといったウソをつくことは子どもにとって良い結果をもたらしません。また世の中には常にリスクがあるにも関わらず、子どもを安心させたいために、リスクがないというウソの安心感を与える事もよくありません。

子どもはすぐに世の中の現実を理解し、親である私たちの「ウソ」がウソであるとわかったときには子どもの私たちに対する「信頼感」は崩れてしまう可能性があります。子どもを思っての親心からくる「ウソ」であることを子どもには理解してもらいたいですが、子どもはそんなに弱くはなく、自分自身で厳しい現実に対処することができるのです。

ただ、不安定な世界の中でさえ、子どもが幸せで充実した繋がりを感じられるようにするために、人生の目的に向かってしっかり取り組んでいくことが依然として子どもにとって有益になるのだと説明する事も親としての重要な仕事の1つです。

子どもが自分をコントロールできるようにする2つの方法

まずは子どもが望む人生を送るために自分で考えて行動する事の重要性を理解させる必要があります。それが教育の重要性、様々な活動やスポーツをすることの重要性、新しい興味あることを追求することの重要性、良い人間関係を築く重要性を理解することに繋がります。

そして子どもが親としての私たちの目的を認識しているかどうかを確認するために、出来うる最善を尽くすことが大切です。そして子どもと親が同じ方向を向いく様に、親の目的と子どもの目的を結び付けるために最善を尽くしましょう。私たちは不確実な世界を理解した上で、それでも自分が望む人生を送るためには今何をするべきかを明確化して行動することが出来ます。

次に、世界には自分たちの力ではどうしようもないように見える事がたくさんありますが、年齢を重ねるにつれて世の中を構成するシステムや構造に対して影響を与える事ができ、世の中を変える事が出来る可能性があることを教える必要があります。

現在我々が直面している世界規模の様々な問題に対して、何か1つでも変えようとするときに、親子間の絆が強くなるチャンスがあります。一緒にパレードに参加してみたり、選挙の投票に行ったり、イベントに参加するなど、家族として実際に変化を起こすために取り組めることは多岐にわたります。

重要なことは、様々な困難や問題に対して立ち向かい、心を開いて行動を起こすことです。この不安定で不確実性の高い世界で子育てをすることは非常に骨の折れる仕事だと思いますが、自分自身と子どものためにも一緒に乗り越えていきましょう。

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