遊びが子どもの発達にとって必要不可欠である3つの理由

子育て方法

遊びは子どもの幸せの基本であり、幼児期の発達と学習にとって必要不可欠なものです。私が子どもだった30~40年前の時代は、親の監視がなく自由に遊べる環境がありましたが、最近ではそういった環境がかなり減少してきています。

遊びは子どもにとって必要不可欠であり、子どもたちにとって最も大切な「仕事」です。大人である我々が子どもの遊びをしっかりとサポートしたり促したりすることによって、子どもは幸せで豊かな大人に成長するための基盤を創ることが出来るようになります。

今と昔の遊び方の違い

昔は遊びと言えば、子どもが自由に外で遊ぶことがほとんどでした。誰にもルールを与えられず、自分たちの自由な発想をベースにした遊びを毎日していた記憶がある方も多いと思います。しかし今の時代、そうした遊び自体をする機会が減ってきています。

大人の私たちが子ども時代の事を考えると、そうした遊びをしていた記憶があると思います。公園で自分たち独自のルールを設けた鬼ごっこだったり、石など自然なものを障害物に見立てて競争したり、自由な遊びをしていました。

今の子どもたちが大人になったころ、子ども時代の思い出を教えてほしいと聞いたら、どんな事が思い出に残っていると思いますか?最近の子どもたちの遊び方は私たちが子どもだった時とは全く違う遊び方になってきています。その理由はいくつかありますが、主に以下のような事が原因になっているのではないでしょうか?

・自由に遊べる環境(場所)が減ってきている
・遊びより幼児期から学習させることを優先させる親が増え、遊びが軽視されている
・大人が遊びとは何かを理解していない、なぜ子どもが制御、構造、決まり事から解放さる必要があるのかをわかっていない
・親がいない場所で遊ぶことによる誘拐等のリスク軽減のため
・iPadや任天堂などゲームで遊ぶことが当たり前になってきている

小児科医や幼児教育の専門家が問題視しているのでしょうか?

1.遊びの利点と神経科学

あるアメリカの研究によると、子どもたちは遊びから大きな恩恵を受けているとの結果が見られました。遊びは子どもの健康な脳の発達にとって非常に重要なのです。

遊びとは、昔から何世代にもわたる子どもが自分自身を教育してきた進化のツールなのです。人類学的な研究によると、狩猟採集社会では、子どもたちは自主的な遊びと探求を通じてその分かと社会における自分たちの立ち位置や役割を自然に学んできたと結論付けられています。

遊びは子どもの「認知的能力」「身体的能力」「社会的能力」「感情的な発達」に多大な貢献をします。遊びがどのようにして子どもに利益をもたらすか、そしてなぜそれが子どもに必要なのかが述べられている研究結果がありました。

神経発達への影響を考えると、「遊び」が成長中の子どもたちの相互接続された脳プロセスの発達と活性化をどのように促進し、学習する能力をサポートするかを明確に示すエビデンスがあります。

2.遊びが減る事に対する子どもへの影響

幼児教育の専門家や小児科医などによると、遊びの(時間的)機会減少が子どもの精神障害、感覚の問題、ADHDおよび発達の問題の増加との間に因果関係があるとしています。

現代の子どもや若年成人の間で、うつ病、臨床不安、その他の精神障害、自傷行為、自殺の数が急激に増加しています。最近の子どもたちのうつ病の割合は1950年代と比べて、なんと7~8倍もの数に上ります。

これらの数が増加しているだけではなく、子どもたちが自傷行為をしたり、最初にうつ病だと診断される年齢が下がってきています。1950年から2005年の55年の間に、学齢期の子どもたちの自殺率はなんと6倍に増加しているのです。

遊びの機会減少はこれらの統計と一致します。だから遊びが減っているから子どものうつ病率や自殺率が増えているのだと結論付けるには十分な証拠はありませんが、これらの要因に関連する研究と専門家の分析テストが増えてきています。

子どもにとって遊ぶ機会が減る事は、身体的問題から創造的問題、また感覚的問題やADHDなど、様々な分野での発達上の問題にも密接に関連しているのです。

3.楽しさ以外のなにものでもない

幸せな幼少期は、子どもの生涯にわたる性格や考え方の基礎を形成します。遊びは子どもたちの心に幸せを結び付けるための優れたツールなのです。

さらに「遊び」は上記以外の重要な事があります。遊びは子どもにとって楽しく有意義であり、慰めにあり、癒しでもあります。それは子どもが自分らしくあり、自分らしくなれる事を可能にし、無限の可能性をもっていることを子どもは本能的に理解しています。

遊びとは子どもにとって初めて覚える言語であり、初めて出せる本能でもあります。人生の単純な喜びを体験するこの能力は、幼少期には鋭敏であり、遊びはそのための十分な余地と機会を与える事ができるのです。

子どもたちが遊びを通して得る事の出来る全ての発達は、彼らが経験する喜びと同じように、彼らのこれからの人生を通じて築き上げる強力な基礎になります。そして子どもたちが作る思いでは一生彼らの心の中に残ります。

「遊び」について全ての保護者が理解するべきこと

遊びとは子どもにとって本質的なものであり、最も重要な事です。そして大人として私たちは果たすべき重要な役割があります。それは、「子どもの遊びの必要性」を理解し、優先順位をつけて安全で自由な環境へのアクセスを確保してあげる事です。

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