6歳児の発達における目安について

発達・発育

子どもの成長と発達を一言で表すと「矛盾」だらけですが、6歳児ももれなくそれに当てはまります。6歳になるといよいよ来年小学校に上がるので、新たな世界に足を踏み入れる準備期間でもあります。それと同時に、親と一緒にいない時間を過ごすことに不安を感じたりすることは依然としてあるでしょう。

これから6歳児は今まで以上に親なしで学校で生活したり、友だちと遊んだり、クラブ活動や習い事などを経験していくので、家の中で親から注目を集めたり、家が自分にとって快適な空間であることを望む傾向がみられる場合もあります。

身体的発達について

今ままでの可愛らしい幼児体系から一変して、身体は細くなり手足が長くなっていきます。幼児から少年、少女へと変わっていくこの段階の子どものは年間5~7cmほど身長が伸びる事もあります。

6歳になると、子どもたちは様々な新しい身体的スキルを身につけ発揮していきます。運動能力全般の能力が向上する子どももいれば、ボールを投げたりキャッチしたりといった簡単なスキルを磨く子どももいます。また成長の速度に差が出てくるので、一部の子どもはぐんぐん成長し始め、他の子どもより速い速度で成長します。

この頃の年齢の子どもはエネルギーの塊なので、そのエネルギーをしっかり消費するには屋外での遊びが必要になります。子どもたちは多くの時間を室内で過ごすので、身体を動かす活動は、子どもたちにとって非常に重要になります。実際、ある研究では、運動が認知機能に有益であることがわかりました。

微細運動能力についてもどんどん発達していきます。ほとんどの6歳の子どもは、文字を書いたり絵を描いたりするのが上手になり、今まで何を描いているのかわからなかった絵も、何が描いてあるかわかるようになってきます。さらにハサミなどの道具の使い方も上手になり、靴紐を結んだり、小さいボタンを押すなど、より細かな動きが出来るようになってきます。

身体的発達の目安

  • 走る、飛ぶ、スキップするなど運動スキルが向上する
  • ボールをゴールに蹴ったり、的にボールを当てるなど、手と目の関連性が強化される
  • ゲームやスポーツのルールに従うことができる様になる

実践ヒント

子どもと遊ぶときは、ボールを投げたり、縄跳びをしたり、障害物を乗り越えたりなど、できるだけ身体を使った遊びをするようにしましょう。この時期は子どもの筋肉の調整能力が伸びる時期です。能力が発達するにつれて、子どもに自信がついていきます。

感情的発達について

6歳になると、子どもは自分自身と他人の両方の感情を認識するようになります。例えば人の事を悪く言うことによってその人が傷つくであろうことを理解します。

この頃になると自分で好みの服を選んだり、自分で洗い物をしたり、くしで髪をとかしたいという願望が強くなってきます。親として、子どものこうした独立心を育てながらサポートしてあげるようにしましょう。

例えば、お皿を洗うことがまだ上手でない子どもが洗ったお皿の「仕上げ洗い」をしてあげる、寒い日にスカートをはいていこうとしている娘にセーターとタイツを提案して上げるなどです。

子どもが自分の周りの世界とその中での自分の役割をより意識するようになるに連れて、大人や友だちとの友情や人間関係は、より複雑になりより意味を持つようになってきます。

感情的発達の目安

  • 才能を披露するのが好きになる
  • 自制心が発達する
  • 感情の安定が発達する

実践ヒント

夜寝る前の習慣、放課後の活動、定期的な遊びなど、ある程度決まったルーティンを創っていきましょう。こうした定期的な活動は、子どもが馴染みのない課題や問題に直面したときに必要な安心感を与えます。

社会的発達について

6歳児になると、友だちと家族との関係性のバランスを取る事に長けくるので、人間関係から安心と快適さを感じられるようになってきます。

家の中や外でおやつやおもちゃなどを友だちとシェアしたりすることが上手にできます。ただし、これは自分のお気に入りのおもちゃなどをめぐって争いごとが起きないという意味ではありません。しかし、今までの様な大きな対立はなくなり、小学生になる事には社会的スキルを身につけ、大人の介入なしに自分で問題を解決できるようになります。

社会的発達の目安

  • 友情という感情をより深く理解できるようになる
  • 仲間に気に入られ受け入れられたい欲求が出る
  • 家族からの独立性をみせるようになる

実践ヒント

子どもは、他人の気持ちをより理解できるようになりますが、親であるあなたからのサポートを必要とする場面もあります。例えば「あなたが友だちに遊べないよって言ったら、友だちはどう感じると思う?」など、聞いてあげるようにしてください。

認知能力の発達について

この年齢の子どもたちは、善悪の区別がつくようになり、その意識が高まっていくので、仮に友だちが「正しくない」と思っている行動をとった場合は、それを友だちに伝える事もあります。

また、この頃の子どもは、仲の良い友だち同士の間だとしても突発的に怒りの感情を表すことはまだありますが、親や保育者が愛情をもって接しながら指導することで、その怒りの感情はあっという間になくなります。

さらに、注意力も向上するので、園や家庭でより複雑な活動やプロジェクトをできる様になります。複雑な思考能力はこの年齢になるとどんどん発達し始め、自分の周りの世界に対する好奇心が指数関数的に増加していきます。

言語と言葉

多くの6歳児は自分で本を読み始める行動を見せ始めます。また自分についてのものがtリを描くことを好む行動も見せるかもしれません。例えば夏休みに内をしたのかについて短い文章を書くことが出来るようになるかもしれません。

文字を読める子どもは、今まで「あ」「し」など文字を1文字ずつ目でみて発音をしていたのが、「あし」という文字として読めるようになり始めます。語彙力も増え、より多くの言葉を書くことが出来るようになりますが、「たのしかった」が「たのしかた」など、ミスはたくさんあります。

簡単な文章を読むことを楽しいと思う子どもも出てきます。本の物語の内容や登場人物について好きなことや嫌いな事などの要素について話し合うことが出来るようになります。

遊び

6歳になると「本物」と「偽物」の違いをますます理解するようになります。子どもたちはキッチンセットでおままごとをする代わりに、カメラで本物の写真を撮ったり、本物の食べ物を作ったりするなど、「本物」の事をすることに対して興味を持つようになる可能性があります。

認知能力発達の目安

  • 簡単なグループ活動やボードゲームに参加する
  • 時間の概念を理解する
  • 六角形など複雑な形を見て描ける

実践ヒント

子どもが自分で本を読むことが出来るようになったとしても、一緒に読んであげる時間を作ってください。あなたが読んでいるのを聞くことによって、子どもの語彙力はさらに広がっていきます。時々子どもに本を読んでもらうことも重要です。

その他の発達について

多くの6歳児は物事を完璧にやり遂げたいと考えるようになってきます。しかし自分で考えている事と実際にできる事に差が出る場合、例えば自分がゲームを上手くできると思っていても実際はそこまでできない、写真を上手く取れると思って実際に撮ると思っていたように撮れていないなどです。

6歳児の子どもは物事の白黒をはっきりさせたいと思うことが多くなり、時に物事についてしっかりとした意見を言う場合もあります。物事の良い面と悪い面を見る事は上手になりますが、その中間点を見る事はまだ難しいでしょう。

更に洋服を着替える時に、「あっちに行ってて」などプライバシーを欲しがることが出始めるかもしれません。しかし親とお風呂の時間を楽しんで、髪の毛や体を洗ってほしいと頼んでくることもあるでしょう。

どんな時に相談するべきか?

6歳の年齢は年長さんと小学校1年生の年齢です。クラスメートと長時間過ごす、厳格な学校の規則に従う、また長時間のクラスに集中するように求めらるようになります。結果として、この年齢は発達の違いや遅れが表面化し始めるポイントかもしれません。次のいずれかに当てはまる場合は、小児科医に相談する事をお勧めします。

  • 引きこもり、心配性、落ち込んでいる
  • 親と離れる事が出来ない
  • 他人と対話をしない
  • 「カバンを片付けて給食着を洗濯機に入れて」など2つの指示に従うに従うのが難しい
  • 自分の名前を書くことに興味がない
  • 挑発的な行動が多い

最後に

あなたの子どもが、上記のように成長や発達の目安に達している事を確認する事は大切な事ですが、自分の子どもを同年齢の他の子どもと比較する事は避けてください。6歳までに自然に運動能力が高くなる子もいれば、音楽の能力が高くなる子もいます。ですので特定の分野のスキルがないからと言って、遅れているわけではありません。

子どもの発育に不安がある場合は、小児科医に相談するか、学校の先生に相談してみてください。

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