ペットを飼うことによって子どもが得る9つのメリット

子育て方法

子どもがペットの事が大好きだという事に対して驚く大人は少ないと思います。特にご自身の子どもが「犬飼いたい、猫飼いたい!」などと言っている場合はなおさらですよね。ペットを飼うことによって子どもたちがペット以外から得る事のできない「本能的にわかっている特別な感情」を得る事ができるのです。動物は無条件に愛するだけでなく、いつでもあなたの話を聞いてくれる友人でもあるのです。

実際にある研究によると、ペットを飼っている家庭の子どもは多くの点でメリットがある可能性が高い事がわかりました。ペットはストレスを軽減し、子どもたちの社会的、感情的スキルを発達させることにも役立ちます。

また、人間と動物のコミュニケーションに関する研究はまだ比較的新しいものですが、最近の研究ではペットが人間のコルチゾールのレベルをさげ、孤独感を減らし、気分を高め、社会的支援の感情を高める事ができると示唆されています。また、ペットを飼うことは、自閉症やADHD(注意欠陥多動性障害)と診断された子供にも+の影響を与える可能性があります。

もし親であるあなたが子どもからペットを飼ってほしいと言われている場合、本当にペットを飼うべきかどうか悩まれることもあると思います。実際にペットを飼うことによってあなたや子どもが得られるメリットは非常に多くありますが、だからと言って軽率にペットを飼うべきではありません。ペットを飼うという事はペットの一生という責任を負う事になるのですから。

それでは、ここからは実際にペットを飼うことによって子どもにどのようなメリットがあるのかを見ていきたいと思います。

ペットを飼うことによって得られる9つのメリット

アメリカのオハイオ州立大学獣医学部の学部長であるラスティン・ムーア博士によると、アメリカの約70%の世帯が少なくとも1匹のペットを飼っており、その中の90%の人々が自分のペットが家族の一員であると考えています。特に子どもにとってはペットは家族そのものなのです。

ムーア博士が行った7-8歳の子どもを対象にした調査の結果、子どもたちにとってペットの方がママやパパ、兄弟と言った家族よりも癒しや快適さを与えてくれる存在だと考えている事がわかりました。

もしかしたら親であるあなたにとってペットを飼うことは仕事を増やすことになると感じるかもしれませんが、子どもにとってペットは潜在的な親友であり大切な家族の一員であるとみなしているのです。

当然のことながら、このペットに対する愛情が多くのメリットをもたらします。これからそのメリットを9つ見ていくことにします。

1.ストレスが軽減される

人間が生きていく上でストレスは切っても切り離せない存在です。子どもにしてみれば、学校の課題、友情、そして進学に対するプレッシャーなどもあり、子どもたちは日々ストレスと共に生活をしています。

実はペットは子どもたちにとって大きなストレス軽減剤として役立つことが出来るのです。子どもたちがペットに捧げる無償の愛情の他に、子どもがペットをなでたり遊んだりしている時に子どもたちの中で起こる生理学的変化があります。

「ペットとのコミュニケーションは、ストレスホルモンのコルチゾールを減少させ、抗ストレスまたは心地よいホルモンであるドーパミンとオキシントシン、特にオキシトシンの放出を増加させることが示されています。」とムーア博士は言います。さらに「これはペットを抱きしめたり、愛撫したり、ペットの周りにいる時にも起こる現象です。」とも言っています。

2.孤独感を和らげる

ペットは多くの場合、本質的な親友としてみなされます。ペットはあなたの子どもの心を決して傷つけようとはしませんし、彼らを無視したり排除したりすることもありません。そうしたペットとの関わりが、特に友達を作るのに苦労している子どもや近所に子どもがあまりいない環境で育っている子供にとって、孤独感を和らげることが出来るのです。

「世界中の多くの人々が社会的、肉体的に孤立しているこの時期に、ペットと暮らすことによって密接な感触を通じて孤独感やストレスを軽減する事もできるのです」とアン・ルイス・ロックハート博士は言います。

ペットは子どもに対して友情や愛情を提供するだけでなく、他に話し相手がいないと感じている子供たちの親友になる事も出来るのです。実際に幼い子どもたちがペットと会話したり、何か内緒話をしたりすることはごく一般的な事です。ペットがいるという事は、いつでも話し相手がいるのと同じなのです。

3.共感と思いやりが構築される

本質的に、ペットは自分で自分の事をすることが出来ません。全て人間に頼らなければならないのです。自分で食べ物を作ったり、水を補充したりすることは決し手出来ません。運動や遊びも人間に依存します。しかしこうしたペットの人間への依存が子どもたちに共感と思いやりを引き起こすことにつながるのです。

子どもは自分以外の誰か他の人の立場に立って物事を考える事を学ぶことが出来ます。たとえその誰かがペットだったとしてもです。ムーア博は、親はペットを飼う事を通じて、形の違った命を尊重する事や大切さについて子供たちに教える事が出来ると言います。

ペットが無視されたり忘れられた時に、ペットがどのように感じるかについて話し合うことが出来ます。あるいは空腹や寒さなどをどの様に感じるかについても話せるかもしれません。子どもに人間以外の動物の考えや思いについて考えさせることによって、共感と思いやりを構築するための最初のステップであって、ペットは感情的知性を与えるための優れた相棒なのです。

4.読解力を向上させる

本を読むことが苦手な子どもにとって本を読むことは苦痛以外のなにものではないでしょう。学校の宿題で朗読があったり、親から本を読みなさいと言われるとイヤな顔をする子どももたくさんいるでしょう。

子どもは、文字がしっかり読めるか、間違った発音をしていないかなどと言った細かな事全てを心配します。そんなとき、ペットに向かって本を読んでもらう様に提案してみましょう。そうすると今までのストレスや不安の一部は解消されるとムーア博士は言います。

こうすると子供たちは宿題や無理やりやらされている感じがしないので、ペット日本を読むことに喜びを感じます。彼らはペットに本の写真を見せて彼らと物語について話をします。やがてペットに本を読むことが、子どもにとって楽しみになっていきます。

アメリカでは子どもが犬や猫の場所に行って本の読み聞かせを行うプログラムさえ存在するのだとムーア博士は説明しています。もちろん動物は子どもたちが言っている事を理解するこはできませんが、動物に対して読むという行為は子どもの自信を構築し、本を読む練習をイヤイヤではなく心地よくすることができるのです。

5.無条件の愛を理解できる

幼少期からペットと一緒に育った子どもは、他人から否定や判断に対して怖がりません。ペットは何があっても自分の事を愛してくれている事を子どもたちは知っています。ペットは子どもがどんな洋服をきているか、外見がどうだ、クラスで人気者かどうかなど気にしません。ペットは今のままの子ども自身を愛しているのです。

「犬は人間の親友と呼ばれています。ペットは人間に癒しや落ち着きなど色々とプラスなことを与えてくれますし、子どもたちにとってママやパパへの依存から脱却するために一役買ってくれます。動物は彼らに別のレベルの快適さと受け入れることを教えてくれます。」と、マスキンガム・バリー・ヘルスセンターの小児科医であるケビン・ドイル医師は言います。

6.責任感を学べる

子どもに責任について教える事がとても大変なだという事は多くの親御さんが納得してくれると思います。子どもたちに歯みがきを忘れないようにしたり、起きたらベッドをきれいにしたり、ごはんを食べたらお皿をキッチンまで持っていくなど習慣化させることは難しいです。

しかしペットを飼うことは責任感を学ぶための大きな動機になります。なぜなら子どもたちが自分の親友でアルペットは自分という人間に依存して生きている事を知っているからです。

「子どもたちはペットを飼う事から責任感、成長、やり抜く力、そしてモチベーションを学びます。ペットが【お座り】や【伏せ】などの新しい技を万ダリ、餌をもらうために人間に頼ってくる時、子どもは自らペットのために良い環境を与えてあげたいと考え行動するようになるのです。」とロックハート博士は言います。

また、子どもたちはペットを飼う事が非常に責任のある事であることを学びます。実際に子どもたちはペットを飼うことに伴う多くの仕事があることをすぐに学びます。トイレ掃除でも、犬の散歩でも、モルモットの世話でも、ペットを飼うことは子どもたちに責任を教える機会を与えます。それらの責任の教訓は子どもたちの将来に利益をもたらすでしょう。

7.自尊心と自信が育まれる

ペットを飼うという事は非常に多くの大変な作業を伴います。しかし子どもをこの作業に参加してもらうことによって、子どもはトイレ掃除やエサやり、散歩などの各タスクを終わらせたときに達成感が生まれるでしょう。ペットの世話をすることは、子どもの独立心や自律の感覚を構築することに役立ちます。

「子どもたちが自分のペットの世話をするとき、子どもたちはやることを成し遂げることに対して誇りに思うかもしれません。それは彼らの自信を築くことに繋がります。」とドイル博士は言います。

さらに子どもがペットと築いていく関係性は、子どもたちが自分自身をポジティブに考える事に繋がります。最終的に子どもとペットとの関係は自分自身への信念を構築し、自分自身の社会的及び感情的スキルを育むことを助長します。

8.運動を促進させる

犬を飼っている家では特にそうですが、毎日散歩に連れていくことで歩く機会が増えます。ペットはまた活動的な子どもが使い切れていないエネルギーを燃やし、家でおとなしくしがちな子どもを元気づけて子どもがペットと一緒に動き回ってりして運動量が増える事に繋がります。

ロックハート博士は「ペットは子どもたちのエネルギー消費に一役買ってくれます。屋内と屋外の両方で遊びを通じて余分なエネルギーを燃やすことを助けます。ペットを飼う事で散歩やハイキングなどのアクティビティをする機会が増え、子どもが外で運動するように促すこともできます。」と言います。

9.不安を和らげてくれる

ムーア博士によると、ペットを飼う事は不安の症状を和らげることにも役立つそうです。例えば虐待された子どもに何があったのかを聞いた場合、子どもの側に犬がいると子どもは落ち着き、何があったのかを共有することが出来るようになったという経験があったそうです。同様に、弁護士は子どもたちを落ち着かせて安心させて最終的に何が起こったのかを子どもに説明してもらうために、法廷内で犬を飼う事もあるそうです。

もしあなたの子どもが何かの不安で苦しんでいるのであれば、例え自分の家のペットでなくても良いので、犬や猫などの動物と一緒に過ごさせてあげることによって、子どもの不安を大幅に減らすことが出来ます。

ペットをなでたり、抱っこしたりすると、子どもたちに落ち着きを与えます。コロナ禍で今まで以上に不安になったりストレスを多く抱える場面が増えた昨今、こうした動物による感情的サポートの需要は増えてきています。

「ペットを飼う事は、不安、うつ病、PTSD、自閉症などのさまざまな精神的健康状態に影響を与えることが明らかになりました。発作、チック、慢性的な痛みなどの病状に苦しんでいる人は、ペットを飼うことに大きなメリットがある事を報告しています。これは、さまざまな慢性的な病状を呈するクライアントと協力する私自身の実践から理解できます。」とムーア博士は言います。

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