海外移住で成功する人・失敗する人

人生設計

私は今まで2回海外で生活をしたことがあります。場所は2回ともアメリカで、初めてのアメリカ生活は学生の頃の3年間、2度目は社会人になってからの4年間で合計7年間海外で生活した経験があります。

それらの経験を踏まえて、海外生活に適している人とそうでない人、色々とみてきました。現地に馴染んで日本に帰りたくない人、反対に現地に全く馴染めずホームシックにかかって帰国する人など、同じ日本人が同じ海外に住みながらも全く正反対な感情に陥るのを何度も見てきましたし、自分も経験してきました。

私は今まで、10カ国以上の国と地域に言ったことがあります。旅行で行ったこともあれば、仕事で行ったこともあります。上述のとおり住んだこともあります。同じ場所に行くにも旅行で行く場合、仕事で行く場合、移住する場合によって全く違う印象を受けます。

私はハワイには10回程行ったことがありますが、プライベートで行ったのはたったの2回です。初めてプライベートでハワイに行くまでは、特にハワイに魅力を感じたことはありませんでした。でもプライベートでハワイに行ってからは、その気持ちは真逆になりました。同じ場所で時間を過ごしているにも関わらず、その目的によって感じる事は全く違ってきます。

海外移住は海外旅行の延長ではない

海外移住を検討する際にこれだけは肝に銘じてほしいのですが、そもそも海外移住と海外旅行は全く別物です。海外旅行とは、端的に言えばその国や場所の最高の思い出だけを短期間に経験する事です。その経験をベースに「この国に住んでみたい」と考えてしまうのは危ないと思います。

海外旅行と海外移住では、事前に調べる情報も全く異なります。海外旅行の場合は、行くタイミングの天気や気候、ホテルやお美味しいレストラン、レジャー施設など「遊び」や「贅沢」をすることが目的の場合が多く、そこには「日常生活」という視点は皆無です。

反対に海外移住を検討する際に必要になる情報は、現地の治安、宗教や文化、物価、子どもがいる場合は学校について、車が必要か、日本人コミュニティの有無など日常生活をする上で必要な情報収集です。

海外にいる日本人には大きく分けて2タイプ

海外で生活する際に気を付けるべき事に、現地の日本人社会の存在があります。その場所に住んでいる日本人は大きくわけて2種類の方がいます。1つ目は駐在員の方々で、数年後にはその場所からいなくなる前提です。そしてもう1つは永住組です。永住組は配偶者が現地の方の場合、または現地で事業を起こしている方などの事が多いと思います。

駐在員として海外生活している方は、基本的に日本に戻る前提で生活しているので、例えば子どもがいる場合、日本人学校に入れている事も多いでしょう。あとは滞在期間が短いので現地の友人を作ることに積極的ではない人がいます。反対に永住者は、日本人ではありますが現地生活が長いと現地の人のような生活をしている人もたくさんいます。

海外移住で成功できる人の特徴

まずは「海外移住の成功」という言葉の定義ですが、成功には人それぞれ感じる事が違ってくるので、ここでは「海外移住の成功」の定義は「自分の理想としていた生活ができている」という事にします。私が海外生活をしてきた経験を踏まえて、海外移住を成功させるために必要だと思うことは「オープンマインド」な気持ちです。

海外で生活するとなると、今まで日本で常識だったことが通じない場面は多々あります。自分の中では考えられない事も現地の人は普通にやっていたりすることもあります。そんなとき、オープンマインドできることが出来ないと、その現地で「当たり前」の事がストレスとなってしまう可能性があります。短期間住むだけなら我慢できるかもしれませんが、長期間住むとなるとその常識を受け入れていくほかありません。

そういったオープンマインドを持っている人は、現地で現地の友人を作る事も出来ます。やはり友達をつくるという行為は人間として生きていく上で必要不可欠なものだと思います。仕事で移住する場合は仕事関係から友人を作ることができますが、リタイア後や教育留学などの理由だと、現地との接点があまりできません。そうした場合は自ら積極的に現地の人と交流をもって友人をつくっていくことが海外移住生活を成功させる秘訣です。

言葉の壁

現地の友人を作る場合、言葉の壁もあります。英語圏の場合であれば、日本人はある程度の意思疎通をすることはできると思いますが、英語圏以外の場合、現地の言葉を学ぶことも必要になる場合もあります。しかし、英語圏以外でもヨーロッパやアジア(フィリピン、香港、シンガポール、マレーシアなど)ではほとんど英語が通じます。南米は意外にも現地人で英語を全く話せない人が多いのにびっくりした記憶があります。

私が仕事で一人でメキシコに行ったとき、ホテルのスタッフとは英語で何の問題もなくコミュニケーションをとることが出来たのですが、街中のレストランなどでは全く英語が通じませんでした。私のスペイン語レベルは2歳児レベル以下(要はほとんど話せません)なので、食べたいものを指で刺して「ウノ」と伝えました。あとは何となく英語をスペイン語っぽくしてみたり、色々と試しましたが通じませんでした。この経験を通して「言葉が通じない事がどれだけストレス」かを実感させられました。

ですので海外移住をする場合、最低でも英語はある程度話せる様になった方が良いと思います。移住前に英語を学ぶよりも現地にいって必要に迫られた方が英語力は確実に伸びるので、まずは現地にいって英語を学ぶための言い訳が出来ない環境をつくってみましょう。

海外移住で失敗する人の特徴

海外移住で成功する人の特徴では、「自分の理想としていた生活ができている」を成功の定義にしましたので、失敗の定義を「自分の理想としていた生活ができない」という事にします。

海外移住で成功する人の特徴として「オープンマインド」ということを申し上げましたが、失敗する人の特徴は「完璧主義者、日本のものさしで物事を測る」人です。どういったことか詳しく説明していきます。

海外で生活をする上で、今まで日本で生活してきたことをそのままスライドする事は100%できません。どこか妥協したり、現地のやり方を受け入れる事はマストです。海外はどちらかというと時間にアバウトであったり、良くも悪くも適当な感覚で物事が動くことも、日本と比べて多いように感じます。

私個人的には、このアバウトさは大好きで、人間が人間として生きていく中であまり過剰に反応したりしてストレスをためる事がなくなります。海外で生活している日本人の多くは、日本から出てしばらくすると日本での生活がいかに息苦しかったかを実感する人がとても多いと思います。反対に海外移住をして間もない頃は、この「違い」にやられてしまう人もいます。

日本ではこうだったのに何でこの国ではこうなんだろう?など、日本でスタンダードだったことをそのまま海外に求めること自体がナンセンスです。例えば公共の乗り物が1時間平気で遅れる、病院で3時間待たされる、道路がゴミだらけなど、最初の頃目に付くことがありますが、そうしたことも「学び」として受け入れる気持ちが大切です。

その状況に文句を言っても問題は解決しません。そういう物なのだと思い、その状況を受け入れる事が重要でしょう。私は2012年に家族でアメリカに移住したとき、妻は初めての海外生活でした。移住間もないころ、スーパーに買い物に行ったとき、レジ待ちしている目の前の人が、かごに入っていた肉をレジ前のガムコーナーに置いていました。「その肉を購入しようと思ったけど、やっぱりやめた」という事だと思うのですが、妻はその行動を見て衝撃を受けていました。「えっ?そこに置きっぱなし?」ととても信じられない様子でした。

そんな経験をしてから、「アメリカでやっていけるのか不安」だと言っていた妻ですが1年もしないうちに「いらないものをどこでも置いておけるのは効率的でいいね」なんて言うまでに成長?していました。「郷に入ったら郷に従え」ではありませんが、日本で当たり前のことが他の国ではあたりではありません。反対に海外で当たり前のことが日本では当たり前ではありません。

最後に

お互いの国のルールや文化、慣習などをしっかりと理解し、尊重すること、衝撃的な経験も時間が経てば日常になります。そういった気構えを持って海外移住するのとしないのでは大きな違いが出てくるでしょう。

せっかく海外で生活するという選択をするわけですから、楽しく生活できるに越したことはありません。なので、「オープンマインド」な気持ちをもって相手を尊重し違いを受け入れる気持ちを持つことが大切だと思います。

これからの時代、日本人として生まれたとしても、住む国を日本に限定する必要はありません。特に子どもがいる場合、子どもの可能性を伸ばすためにも海外に出る事は非常に有効的な手段だと思います。子どもは我々大人以上に「経験」から学べますので、これからの時代を担う子どもたちの選択肢を広げてあげるためにも、海外移住という選択を考えてみるのも良いのではないでしょうか。

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