イチローから学ぶ「子育てのあるべき姿」

子育て方法

イチローの有名な言葉に「やってみて「ダメだ」とわかった事と、初めから「ダメだ」と言われた事は違います。」というものがあります。自分で体験して「ダメ」だとわかったこと、経験をせずに他人から「ダメ」と言われた事では、同じ「ダメ」でもその意味は全く違うという事ですね。

これって実は子育てで最も大切な事の1つではないでしょうか?特に子どもが小さいときは、親は保育者は「子どもの安全」のためという理由で子どもの行動を「ダメ」という制限をしてしまいます。しかし、この「子どもの安全」のためにしている制限は、本当に子どものためになっているのでしょうか?この考えの視点は大人の視点から物事を見ています。子育てでをする上で大切にしないといけない事は「子供の目線」で考える事です。

子どもは経験から物事を学ぶ

例えば熱いお湯が入ったコップが小さい子どもの目の前にあったとしましょう。そうすると「このコップは熱いから触っちゃダメだよ」と、ほとんどの大人は子どもに言うと思います。しかし、子どもは「熱い」という経験をしたことがない場合、いくら大人が「熱い」から触ってはいけないと伝えても、その言葉の真意は伝わりません。

そういった場合、実際に子どもに「やけどをしない程度の熱いもの」を触らせることです。そうすることによって、子どもは「熱い」という事を自分で経験します。その感触を覚えているので、先の例のように熱いコップが目の前にあった場合、大人は「このコップは熱いから触っちゃダメ」というのではなく、「このコップは熱いよ」と伝えるだけで、子どもは「熱い」という経験を元に触るかどうかの判断をします。

こういう経験を積ませることが、本当の意味で「子供の安全を確保する」事なのです。大人が子どもの行動を制限してしまうことは、その場しのぎの対応になってしまい、いつも子どもの行動に注意していなければなりません。

しかし、子どもに色々な経験を積ませることによって、子どもは自ら学習していきます。そうすると大人があれこれ指示しなくても自分で考えて判断できるようになっていきます。そうすれば子どもは安全に行動し、大人は安心して子育てする事ができるようになります。

これからの日本の保育に求められるものとは?

今までの日本では「一斉保育」が主流でした。しかし2018年に保育所保育指針が改訂され、これからは「子どもの主体性」を伸ばしていく方向に変わりました。そうした状況を考えると、これからの保育に必要なことは、大人が子どもを管理するのではなく、子どもに色々と経験をさせることです。繰り返しになりますが、子どもの経験値が増えることによって子どもは自ら考えて行動できるような人間になっていきます。

こうした教育を子どもに提供するためには、保育従事者だけでなく、保護者、その地域にいる大人がこうしたことを理解する事が大切です。しかし今まで一斉教育を受けてきた私たち大人にとって、今までとは違う「子どもの主体性を伸ばす」教育を提供する事は容易ではありません。

ここで冒頭のイチローの言葉をもう一度考えてみましょう。「やってみて「ダメだ」とわかった事と、初めから「ダメだ」と言われた事は違います。」今までの教育を受けてきた大人に「一斉教育はもう古いからダメだ」と対応するのではなく、自分で考えて子どものためになると思う教育を行ってみる。もしそれでうまくいかなかった場合、その時こそまさにやってみて「ダメだった」という事になります。この経験を通じて初めて大人は新しい教育手法を学ぶ準備ができるのではないでしょうか?

子どもだけでなく、大人にとってもとても大切な言葉ですね。私たちもこの言葉に従って、自ら色々と挑戦してダメであったら、それをしっかりと受け止めて次の行動をすることが大切ですね。

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