子ども1人育てるのにいくらかかるか知っていますか?

人生設計

生まれたての赤ん坊が大学を卒業するまでの22年間、子育てに一体いくらかかるのか、詳細を計算したことはありますか?今回は、子育てにかかる金額の算出と、その金額をどうやって作っていく必要があるのかについてお話ししていきます。

0歳から15歳までにかかる費用

少し古いデータですが平成21年度に内閣府が行った「インターネットによる子育て費用に関する調査」データの中に0歳から15歳の子どもを育てるのにかかる年間費用が出ているので、その数字を見ていきましょう。

0歳児:93万1246円
1歳児:87万8040円
2歳児:94万2715円
3歳児:104万577円
4歳児:119万7116円
5歳児:115万9523円
6歳児:121万5243円
7歳児:111万2082円
8歳児:105万9791円
9歳児:113万1097円
10歳児:115万2088円
11歳児:123万5483円
12歳児:126万9053円
13歳児:152万7873円
14歳児:153万1521円
15歳児:161万1802円

上記の結果、1人の子どもを0歳から15歳まで育てるのにかかる費用は1899万5250円になります。ちなみにこの調査ではほとんどの方は小学校、中学校は公立の学校に行かせているので、小学校から私立、中学校から私立に行かせる場合は2000万円以上になると思います。

高校3年間でかかるお金

先ほどの内閣府が実施した調査結果は15歳までのデータしかなく、16~18歳の子どもを育てるのにかかる費用という項目はありません。従いまして、15歳の子どもにかかる生活費(学費や学校外活動費を除いたもの)に、文部科学省が平成30年に行った「平成30年度子供の学費調査」に記載されている教育費を足したものを高校生の子どもを育てる費用としました。

高校1年間にかかる費用
公立:【生活費】131万6050円+【教育費】45万7380円=177万3430円
私立:【生活費】131万6050円+【教育費】96万9911円=228万5961円

つまり、公立高校に通う子どもにかかる3年間の費用は532万290円(177万3430円×3年間)、私立高校に通う子どもに係る3年間の費用は685万7883円(228万5961円かける3年間)になります。

15歳までの費用と組み合わせると下記の金額になります。
公立高校:2431万5540円
私立高校:2585万3133円

大学4年間でかかるお金

大学は国立大学に通うのか、私立大学に通うのかによって学費は変わってきます。平均的に国立大学にかかる学費は245万5200円(入学金28万2000円、授業料53万5800円/年)、私立大学は学校によって大きく異なりますが、平均的に文系で440万~470万円ほ程度、理系で580万~670万円程度です。

しかし医学部・歯学部・薬学部の場合は話が違ってきます。4年間で2000万~4725万円という金額がかかります。

上記の数字に生活費(ここでは自宅から大学に通うことを前提)の90万円を合計すると大学4年間でかかる費用は下記のような数字になります。
国立大学:605万円
私立文系:800~830万円
私立理系:940万円~1030万円
私立医学部:2360万円~5085万円

医学部の数字は極端なので、ここでは大学4年間にかかる費用を1000万円と仮定します。そうすると子どもを大学卒業させるまでにかかる平均的な費用は下記になります。

2500万円(高校までにかかる費用)+1000万円(大学4年間にかかる費用)=3500万円

子ども1人3500万円必要になる事がわかります。子どもが2人いるご家庭は7000万円、3人いるご家庭は1億円を超えてしまいます。

生涯年収と生涯支出

さて、ここまでで子育てにかかる具体的な数字を見てきたわけなのですが、この金額をどうやって捻出していけばいいのかを考える事が最も大切な事です。

男女の平均生涯年収が約2.5億円と言われていますが、生涯年収≠生涯手取り金額であることを認識していますか?給与明細を見ればわかりますが、給料から税金や保険など諸々引かれて残ったものが手取りになります。

上記の生涯年収2.5億円を勤労年数の42年(23歳~65歳)で割ると生涯平均年収が595万円になります。年収595万円のサラリーマンの住民税が30.7万、所得税が20.2万、社会保険料が84.6万なので、手取り額は約460万円になります。

450万円×43年=1.9億円になるので、この1.9億円が実質手に入る金額になります。この金額に65歳以降年金(平均値月20万円)が入ってきます。85歳まで生きると仮定した場合、20万円×12か月×20年=4800万円の年金収入になるので、1.9億円の手取りと併せると約2.4億円が生涯収入となります。

一方、生涯支出はどの位かかるのでしょうか?厚生労働省の「令和元年簡易生命表の概況」によると2019年の男性平均寿命が81.41歳、女性平均寿命が87.45歳です。この平均寿命は年々長くなっているので、今後生涯支出は年々上昇していくことを前提に見ていきましょう。

総務省統計局の2019年家計調査年報(家計収支編)を見ると、勤労者世帯の年間消費支出は約388万円です。勤労期間を23歳から65歳までの42年間とすると388万円×42年=1.6億円になります。

65歳以降の高齢夫婦無職世帯の消費支出の平均は287万円/年です。上述した85歳まで生きる場合、287万円×20年=5740万円必要になります。つまり勤労期間の1.6億円+5740万円=約2.2億円が生涯支出となります。

つまり2.4億円の生涯収入から2.2億の生涯支出を引くと2000万円残る計算になります。しかしこれは現在の年金の仕組みがこの先ずっと維持される前提になっているので、現実的ではありません。子どもの数が増えればあっという間に生涯支出が生涯収入を超えてしまいます。さらに長生きすればするほど支出が収入を越えていくので、家計が破綻するのは目に見えています。

資産運用の大切さ

香港人の平均年収は日本人の約半分ですが、60歳になったとき6人に1人が資産1億円以上を持っています。日本では60歳で資産1億円持っている人は10人に1人です。つまり香港人は日本人の4倍速さで資産を増やしているのです。

何が言いたいかというと、日本人は資産のほとんどを貯蓄に回していますが、これが全ての間違いだという事です。今の時代は自分で資産運用できるようにマネーリテラシ―を向上させていくことが必要になります。

次回はどうやって人生100年時代を生きていくのか、子育てにかかる費用をどうやって工面するのかについて書いていきたいと思います。

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