日本と違う海外の教育

グローバル社会

日本の教育が100年間変わっていないという衝撃的な事実があるなか、2018年に保育所保育指針や学習指導要綱の改定により、日本の教育大きくがかわり始める可能性が見えてきました。

今まで日本ではあまり重要視されていなかった非認知的能力(数値化できない能力、例えば創造力や問題解決能力、柔軟性など)を育んでいくことが重要視されるようになってきました。そんな良い兆しが見えるのですが、実際問題として今の日本の教育からどのようにしてシフトしていくのかという、また別の問題が浮上してきます。

日本で生まれ育った先生は、今までの教育しか受けてきていないので、アクティ部ラーニングや非認知的能力を育む教育方法をしりません。ですので、国が求める子育てを行うには、すでにこうした教育を実践している海外から取り入れていくほかありません。そこで今回は、日本と海外の教育に対する違いをいくつかの項目に分けてみていきたいと思います。

教育に対する意識

上図をご覧ください。左の図は日本の教育を表したもので、右の図は欧米諸国の教育を表したものです。日本の教育スタイルは先生を中心とした、先生が管理しやすい仕組みになっています。基本的に先生が教科書をベースに生徒に一方的に伝えます。反対に欧米諸国の教育スタイルは生徒を中心として、先生が一方的に教えるのではなく生徒同士で話し合いをしたり、インタラクティブな関係になります。

先生が一方的に伝える方法だと、子どもの「思考力」が育ちません。思考力を育むためには、人と話たりしながら色々な意見を交換し、その意見を検討し最適解を見出すなど、自分の頭で考える事を繰り返すことにより訓練されていきます。さらにコミュニケーション力も養われますし、これからの時代に必要なスキルとされている非認知的能力を向上させるためにも、こうした教育スタイルにシフトしてく時期にきています。

個性に対する考え方

日本では個性を育むということよりも、周りにあわせていくという事がベースにあります。「出る杭は打たれる」という言葉がある通り、日本では他人と違うことをしたり目立つことを良しとはしません。そういったことを背景にあるので、日本では個性を伸ばしていくといった考えがそんなに注目されることはありませんでした。しかし、2018年に保育所保育指針や学習指導要綱が改訂されてから、子どもの個性を伸ばしていく、自分で考えて行動できる人間に育てるといった方向にようやくシフトしてきました。

欧米諸国は既に個性を伸ばしていく教育というのが定着しています。この個性を伸ばしていくことの最たる例は「飛び級」でしょう。何歳の時は何年生など年齢による新旧はベースにあるのですが、その子の能力が高ければ飛び級ができ、15歳で大学生になる子どもなどもおります。これからの日本でも、こうした個性を伸ばしていくために一律的な教育をするのではなく、子どもの個性を伸ばすことのできる教育になっていける事が理想ですね。

しつけの仕方

日本では「しつけ」というと「叱る」という事を前提としたイメージが強いと思います。しかし欧米諸国では「しつけ」は「褒める」という事を前提としています。つまり日本と欧米諸国では「しつけ」に対する概念が真逆なのです。

しかし褒める事が基本にある欧米諸国でも、もちろん子どもを叱る場合もあります。ただしその叱り方が大変重要になってきます。頭から「ダメ」だとか「やめなさい」などと子どもの行動を抑止するのではなく、なぜそれがダメなのか、なぜ今その行動をやめなければいけないのかをきちんと説明する事です。

反対に褒める場合も、単に「すごいね」とか「えらいね」といった抽象的な褒め方をするのではなく、「全部残さないで食べられたね」や「お友達とおもちゃシェアできたね」など、子どもが取った行動を具体的に伝えることが褒めるという事になります。

勉強に対する考え方

勉強に対する考え方も日本と欧米諸国ではずいぶん違ってきます。日本では詰め込み式教育と言われている短期暗記型の教育が中心になっており、欧米諸国は思考する事に重きを置いた思考型教育が中心になっています。海外でも日本のように暗記型のクラスもありますが、生徒同士でグループをつくって発表する形式、クラスを2つのグループに分けて討論させるなど、生徒が中心となって考えながら進めるクラスも多くあります。

日本の大学受験と欧米諸国(特にアメリカ)の大学受験はかなり方法が違うので勉強に対する考えの違いの良い例になるのではないかと思います。日本の大学受験は基本的に暗記型の教科が多いです。ある程度問題を解くテクニックが身につけば思考する能力はさほどいりません。反対にアメリカの大学の場合、最も重要視されるのが高校の成績です。その他、推薦状やエッセーなども大切になります。

アイビーリーグ級の超名門校などを受験する場合、高校でどのように過ごしてきたかなどが重要視されます。勉強に励むことはもちろんですが、それ以外にも社会や国家にどのように貢献できるかなど自分の考えがあるか、芸術性やその感性があるか、スポーツなどを通じて体力づくりをしていたか、人をまとめていくリーダーシップ力があるかなど、学問以外の人間性や考え方などがかなり重要視されます。

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