これからの時代を生きてく今の子供たちにとって、どんなスキルが必要になっていくのか?ACT21sという国際団体が「21世紀型スキル」を提唱しています。今までの知識偏重型の教育では、これからの急激な社会・経済の変化に対応することはできないため、上述の21世紀型スキルが必要になってくると言われています。
21世紀型スキルとは4つのカテゴリーにある10種類のスキルを指します。それぞれを見ていきましょう。
1.思考の方法(Ways of Thinking)
創造力とイノベーション
批判的思考能力、問題解決能力、意思決定力
メタ認知(認知プロセス知識)
2.働く方法(Ways of Working)
コミュニケーション
コラボレーション(チームワーク)
3.仕事のツール(Tools for Working)
情報リテラシー
情報通信技術のリテラシー
4.世界の中で生きる方法(Skills for Living in the World)
地域と国際社会での市民性
人生とキャリア
個人及び社会における責任(異文化の理解と異文化への適応力を含む)
非認知的能力の重要性
創造力、批判的思考能力、問題解決能力、コミュニケーション力、分析力、マネジメント力、柔軟性など、21世紀型スキルの多くは、数値化することのできない「非認知的能力」が多いのが特徴です。
インターネットの誕生から世界では多くの新しいビジネスが次々と誕生しています。それに伴って業務量増加、専門領域の細分化が進み、仕事自体が複雑化しており、各仕事に対する付加価値が求められています。このような時代だからこそ、これからの世界では「非認知的能力」がより重要とされているのです。
だからと言って、理論や手法などの体系的な知識などハード面(認知的能力)がいらないと言うわけではありません。認知的能力の上に、今まで以上に非認知的能力が必要になってくるのです。例えば、複雑で高度な専門知識を要する商談をするとき、その商品の知識や理解は必ず必要になりますが、それよりもそれをプレゼンする力が要求されます。ここでしっかりとプレゼンする能力がなければ、そもそも商談は成立しません。これからは、ハードスキルだけではなく、ソフトスキルが求められる時代になってきます。
これからの教育の在り方
これからの時代を生きていく子供たちにとって必要な教育とは何でしょうか?パッシブラーニングからアクティブラーニングへ変わる必要があります。パッシブラーニングとは先生を中心とした教育です。いわゆる座学です。それとは反対にアクティブラーニングとは生徒を中心とした教育、つまり生徒同士でディスカッションをしたりグループ作業中心の教育です。
これからの時代は、今までの詰め込み式教育ではなく、先生が一方通行に知識を教えるのではなく、先生が問題提起をし、その問題についてグループでディスカッションをしたり、問題解決方法を見出したりする様なスタイルの授業が必要になってくるでしょう。
テストも、従来の○☓方式や選択方式のものから、自分の考えを論理的に答えさせる記述式の問題が増えてくるでしょう。問題の正誤を問うのではなく、自分の考えをまとめてその問題をいかに解決していくか、その工程を見る必要があります。
さらに今の時代、情報通信技術を使わずにビジネスを円滑に遂行していくことは不可能です。そのため、ICTスキルは必要不可欠になります。そのため、様々なディバイスを利用して、自分で問題を見つけ、考え、解決していくといった21世紀型のスキルが求められます。
世の中は常に代わっています。時代がものすごいスピードで進んでいるにもかかわらず、日本の教育は戦前からほとんど変わっていないのが現状です。これからの時代はさらなるスピードで進んでいくので、その流れについていくためには、教育が変わらなければなりません。
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