情報過多な時代の正しい情報の見極め方

人生設計

インターネットが生活の一部になってからずいぶん時間が経ちました。インターネットがない時代と比べると、様々な情報が簡単に手に入るようになりました。ただし、それらの情報が真実なのか、自分にとって必要なものなのかを精査する必要があります。これからの時代を生きていく上で、情報リテラシーを高める事は非常に重要です。

情報には2種類あることを意識する

情報リテラシーを高める前に、まずは全ての情報を疑う事から始めましょう。今の時代、誰でも簡単に媒体をもち情報発信できる時代です。自身の正体を明かさずに匿名で発信する事もできるので、何の根拠もないことやウソの情報がネット上には散乱しています。

情報の見極め方として、まず「情報」には2種類あることを認識しましょう。1つは「主観」、もう1つは「事実」です。この主観と事実の違いをしっかりと理解することが正しい情報リテラシーを高める第一歩です。

主観とは、情報発信者個人の考えです。例えば「今朝の電車は混んでいるな」は主観です。同じことでも「今朝の電車の乗車率は150%だった」は事実です。もう1つ例を挙げると、「今日は暑い」は主観で「今日の気温は30℃」は事実です。

前者の例の場合、電車が混んでいるかどうかは個人の感じ方によります。毎日乗車率200%の電車に乗っている人からすると乗車率150%の電車でも「混んでいる」にはなりませんし、いつも50%の乗車率の電車に乗っている人にとっては乗車率100%でも「混んでいる」と感じます。

後者の例の場合、寒い地域に住んでいる人にとっては25℃でも暑く感じるでしょうし、暑い地域に住んでいる人にとっては35℃でも普通と感じるかもしれません。しかし気温が30℃というのは、正真正銘の事実ですね。

その「事実」の信ぴょう性を疑う事から始める

あなたの目の前にある「事実」に対して疑ってみましょう。その事実は誰がいつ、どのようにして作られたのか?情報発信者のポジショントークではないか?物事には1つの事実がありますが、その捉え方はその人のポジションによって異なります。

「このサプリを飲んで2か月で10㎏のダイエットに成功!」という事実があったとしましょう。この「2か月」という期間で「10㎏」のダイエットをしたという事は事実ですが、これを妄信して「そんなに凄いサプリなら私飲んでみよう!」という行動を起こす前に、この事実について考えてみてください。

たしかに2か月で10㎏痩せたのでしょうが、このダイエットを成功させた人のダイエット前の体重が100㎏の場合と60㎏の場合では、その10㎏の意味が全く変わってきます。一般成人男性で100㎏から90㎏のダイエットは簡単です。しかし60㎏から50㎏に落とすのはかなり大変です。

このサプリを飲んでダイエットを成功させた人の元の体重、2か月で10㎏痩せたあとリバウンドをしていないかなどの情報を集める、こうした情報を入手したうえで、そのサプリを購入するかどうかを検討します。

最近ではコロナの1日の感染者数について毎日報道されていますが、これも疑ってみる必要があります。例えば「東京都で新に400人感染」という事実に対して、何も考えずに感染者数が増えてきたので東京は危険だと安易な結論を出す人が多いです。

この400人の感染者という事実の数字の後ろにある、PCR検査数、ならびに検査を受けた人数に対して400人という数字が占める割合を出す必要があります。例えば4月のPCR検査数が1000人に対して200人の感染者であれば、検査を受けた人の20%が感染者であったことがわかります。そして8月に2000人にPCR検査を行ったところ400人の感染者という結果が出た場合、感染者の割合は4月と同じ20%なのです。

また東京都からの渡航者に対するあからさまな差別をよく聞きますが、これもおかしな話です。東京都の人口は約1400万人で、コロナ感染者数は約16474人(8月13日現在)、回復者数12526人という事実があります。つまり東京都民の0.1%がコロナに感染(累計)し、現在の感染者は都民の0.028%です。0.1%の確率は1年間で空き巣に入られる確率と一緒です。そして、嫌な例えばで申し訳ありませんが、他人に殺される確率は0.03%なので、都民の現在のコロナ感染者率以上です。

こうした「事実」から、東京から来る人間を「コロナ扱い」することがどれだけナンセンスであるかがわかりますよね。これは単なるいじめであり差別以外のなにものでもありません。きちんとした情報リテラシーを持つことによって、こうした差別や偏見をなくすことが出来ると思います。

「主観」はその人個人の意見であることを認識する

先のコロナの例を取ってみると、日本は外国と比べてコロナ感染者数が少ないから、日本の対策が功を奏していると考える方がいたとします。これは、その人個人の意見であり事実ではありません。主観には正解はありません。個人個人考え方が違うので、人の数だけ主観が存在します。この「主観」は、自分が物事を判断するための材料やヒントとして活用することはできます。

上記の意見を聞いた後、「日本のコロナ感染者数が少ないのは人口数に影響しているのか?」「PCR検査数の絶対数を各国の人口で割る必要があるのでは?」「欧米では感染者数が多いけど、アジア諸国では軒並み低いのはなんでか?その中で日本の感染者数(率)はどの程度の位置にあるのか?」など、色々と考える事ができます。つまり、たくさんの主観を聞くことによって、色々な気付きも生まれてくるので、主観を毛嫌いするのではなく、情報には事実と主観があるという事を認識しながら、それをもとに自分で思考する事が大切なのです。

主観はその人の立場やポジションから見た考えなので、立場が反対の人からすると、同じ事実に対して全く違う主観が存在します。ヒーローものや戦隊ものは、この最たる例でしょう。正義の味方とされているヒーローが悪者をやっつけるというストーリーですが、視聴者は正義の味方の目線で物事を見ているので敵を倒して喜びますが、例えば悪者の家族の立場で考えた場合、自分の家族が「正義の味方」にやっつけられたので、悲しい気持ちや恨む気持ちが生まれます。

これは1つの事実に対して、それぞれの主観で物事を見た場合、全く反対の感情が生まれます。どちらが正しいというのではなく、実生活においてお互いがお互いの意見を受け止めあうことによって、多角的に物事をとらえる事が出来るようになります。

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