普段ミントリーフで子供たちがどんな活動をしているのか、またその活動から子どもたちは何を学べるのかについていくつか具体的なものを紹介していきたいと思います。
ミントリーフの子どもたちは、これからの時代を生きていく子どもたちにとって本当に必要な「非認知的能力」を日々育んでいます。
実践例1:シェービングクリーム・新聞を使った遊び
感覚を育てる遊びは、幼児の脳を発達させるのに必要なことです。この遊びは、触覚など感覚を使うものなら何でもいいです。この時はボールとシェービングクリームを使った遊び、そして氷を使って感覚を育てる遊びをしました。
このような感覚を体験できる素材で遊ばせると、たくさんの単語を教える機会にもなります。子どもたちは自分に起こっていることを説明するために言葉を覚えようとします。
「溶ける(melt)」「ベタベタする(sticky)」「冷たい(cold)」「痛い(pain)」「混ぜたい(mix/ stir)」といった言葉を覚える機会になります。このような素材がたくさんあれば遊ぶ機会も増え、使える単語も自然と増えてきます。
もう1つ言えることは、感覚的な遊びが注意力の持続時間を改善するのに役立つということです。一般的な大人は、子どもたちがおとなしく座って本を読んだり、大人の話を聞いてくれる子どもが良い子どもと考えがちですが、それでは子どもは成長しません。これは子どもを管理するだけで思考停止状態に陥ってしまいます。
幼児の脳の発達にとって、いろいろな感触を体験するために「自分で考えて自由にやってみること」が大切です。基本的に、幼児には指で絵を描かせたり、水遊びのような「感覚を育てる遊び」が毎日必要です。
この日は、新聞を使って遊びました。最初は新聞を破ることを躊躇していましたが、先生が破く様子を見て次々に子どもたちも真似し始めました。
子どもたちは破いた新聞をたくさん拾って宙に投げたり、先生が持っている新聞をパンチして破いたり、床に散らばった新聞をプールで泳いでいるようにしてみたり、新聞という身近な素材を使って様々な感覚を体験することができました。遊び終わった後は、子どもたちはお片付けも最後まできちんと手伝ってくれました。
実践例2:ビーズを使った遊び
子どもたち自身が使い方を考えることによって、ビーズのような素材をどのように使って遊ぶのか期待しながら見ることが大切です。そして保育者はその様子を注意深く見て、次の保育に繋げていきます。
<子どもの様子>
子どもたちは紐にビーズを通したり、外したりして遊んでいました。そのうちビーズをぶつけると良い音が鳴ることに気が付き、ビーズでテーブルを叩き始めました。そしてビーズで遊び続けていると、ビーズを振って楽器のようして使いました。
子どもたちは2日間ビーズで遊びましたが、ビーズを回転させたり、転がし始めたことに気がつきました。どのように遊んでいるのか観察していると、子どもたちはビーズを食べ物のように使ったり、指に乗せたり、マニキュアのようにして遊んでいる様子を見ることができました。
<活動の特徴>
幼児は物を落としり、投げたり、音を出したり、つぶしたりするなど実際に感じる感覚に興味があります。いろいろなことを学ぶのに必要なことです。
子どもたち自ら使い方を考え、それを使って出来ることを試す。1つの使い方だけではない柔軟な考えを持つことで、新たな楽しみを見つけることに繋がります。
実践例3:お絵描き
子どもたちの体の成長は、描くことにも大きな影響を与えます。 絵を描くことから子どもたち個々の発達状況を知ることができます。
ミントリーフ長野園では、3歳4歳5歳の年齢の子どもたちが同じ保育室で生活しています。年齢や個々の発達により「手」の使い方は子どもたちにより違いがあります。上手にペンを握ることができる子ども、ペンの先だけをもち描こうとする子ども様々です。握り方により様々な絵が生まれます。
子どもたちは体が成長することで、より正確に文字を書いたり、絵を描いたりさまざまなことに「手」が使えるようになります。
<子どもの様子>
公園で拾った松ぼっくりをテーブルに置いて、遊んでいる様子を観察しました。年少児は、松ぼっくりを線で描いて表現したり、1色の絵具で色を付けたりしていました。年長児になるにつれてよりリアルに描いたり、まわりをなぞって描いたり、たくさんの色を使って表現するようになります。
また子どもたちは、正確に表現することに集中すればするほど、語彙力が豊かになり、アイデアをより正確に描けるようになります。このような活動から絵の描き方や考え方、手や指の動かし方など発達の段階を観察することができます。
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