ゆたぼんの不登校宣言騒動から考えるホームスクールとは?

幼児教育

少年革命家のゆたぼんが中学校に通わないと宣言したことを発端に、様々なところで炎上しています。「学校へは行くべき」や「無理してまで行く必要はない」など議論がされていますが、今回は「ホームスクール」について書いていこうと思います。

日本ではまだ馴染みのないホームスクールですが、「不登校の子どもが家で勉強する」というざっくりとしたイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。

今回の新型コロナという未曽有の事態が世界規模で起き、今までの常識が変わる転換期を生きている私たちですが、子どもたちの教育に関しても色々と変化が必要になってきています。そんな中、この「ホームスクール」というものが選択肢の1つになるのかどうかも含めてみていきましょう。

そもそもホームスクールとは?

そもそもホームスクール(ホームスクーリング)とは何なのでしょうか?ホームスクールとは子どもが家で学ぶことで、親が教師として勉強を教える場合もあれば、親が監督のもと、インターネットなどを通じてオンラインで授業を受ける場合など、自宅をベースにした学びのスタイルの事を言います。

ホームスクールが最も盛んな国の1つアメリカの場合、約30年ほど前にアメリカ全州でホームスクールが法的に認められました。もともとは宗教的理由がベースになりホームスクールを選択する家庭が多かったのですが、最近では公立学校の環境の悪さ(銃乱射やドラッグなど)の理由から自分の子どもを学校に通わせたくないと考える親が増えています。

そういった背景に、インターネットという物理的に学校に行かなくても学校と同等の授業が受けれるようになってきたこともあり、近年ホームスクーリングを選ぶ過程がどんどん増えています。カナダやイギリスでもホームスクーリングに関しては、アメリカに近い環境です。

一方日本では、ホームスクールのイメージがネガティブに捉えられています。学校に行かないで家で学ぶ事=不登校のようなイメージが先行しています。しかし、多様化している社会において、全員が同じ教育を無理やり受けなければならない事に疑問を持ち、早期英才教育やギフテッド教育、インターナショナル教育など、各家庭の状況や将来像を見越してホームスクーリングの導入を検討している家庭が増えてきています。

子どもは学校に通う義務はない

そもそも教育とは「義務ではなく権利」です。義務教育とは「教育を受ける権利のある子供に対して大人がそれを実現させる義務」の事を指します。つまり、学校へ通わなくても、子どもに対して教育を受けさせられる環境を提供できるのであれば、学校へ行かなくても違法にはなりません。

少し法的な話になりますが、子どもの権利条約には「子どもは教育の在り方を自ら選択する権利がある」と記載されています。条約とは法律よりも優先(憲法>条約>法律)されます。

日本ではホームスクールは違法ではないが合法でもないという考えになっています。子どもの権利条約で子どもの教育の選択の権利があるとされているので、この時点でホームスクールは違法ではありません。しかし法的に学校に行かなくてもよいという規定がないので、合法状態になっているわけではないという事になっています。

ホームスクールが市民権を得るために必要なこと

保育所保育指針の改訂や義務教育の学習指導要領の改訂などから、今の日本は「一斉保育」や「詰め込み式教育」からの脱却、そして「子どもの主体性」「アクティブラーニング」へのシフトを目指しています。

そうした背景を考えると、ホームスクールはこれからの時代に合致しているのではないかと思います。ただし、それにはいくつか乗り越えなければならない壁が存在します。一番大きなところが法律です。上述した通り、子どもの権利条約では子どもが自分で教育の在り方を選択できるのですが、法的にホームスクールが規定されていないという事実があります。

そこでまずは日本の法律でホームスクールに対する規定をつくるべきだと思います。アメリカではホームスクールを選択した家庭に対して、親が子どもの学習を放棄させたりするのを防ぐために、定期的な学力テストを受験させたり、親による指導、必須科目の指定、出席記録などを教育局に提出するなどしっかりとした制度が設けられています。

またホームスクールを支援するためにHSLDA(Home School Legal Defense Association):ホームスクール法律擁護協会という民間団体が設立されたり、ホームスクール自体が市民権を得ているのが現状です。

日本でもこのような状態にもっていくためにも、まずは日本人がホームスクーリングについてしっかりと理解する事が大切だと思います。

未来を見据えた教育を考える

多様化した今の時代、今までのような画一的な教育を受ける事が本当に必要なのかどうか、親である私たちは真剣に考える必要があります。自分の子どもにどんな大人になってもらいたいか、今から20年後の未来はどんな世界になっているのか、そういったことを見据えて自分の子どもにとって本当に必要な教育とは何なのか?を考える事が第一歩です。

日本でもモンテッソーリやレッジョ・エミリア教育など、オルタネティブ教育が少しずつ浸透してきていますが、それでもまだまだマイノリティです。ホームスクールもある意味オルタネティブ教育の一種です。

色んな選択肢がある中で、自分たちで考えて選択していくこと、この能力がこれからの時代にはますます必要になってきます。私たち大人がそうした事を経験するのを子どもは近くで見ています。いつも言いますが、子どもは大人の言うことを聞くのではなく大人のしている子を真似します。是非子どもにとって良いロールモデルになれるよう大人として頑張っていきましょう!




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