STEM教育からSTEAM教育へ

幼児教育

STEM(ステム)教育とは、ご存知の方も多いと思いますが、もともとアメリカで始まった教育法でS(Science:科学)、T(Technology:テクノロジー)、E(Engineering:エンジニアリング)、M(Mathmatics:算数)の頭文字をとったものです。

このSTEM教育はイノベーションのための教育と言われ、アメリカ国内でとても重要な国家戦略にもなりました。しかし最近ではこのSTEM教育にA(Art:アート)が追加されたSTEAM(スティーム)教育の認知度が高まっています。

今求められるSTEAM教育とは

今までは科学とテクノロジーが時代を推し進めてきましたが、これからの時代は科学とテクノロジーだけではなく、アートの力が必要になってくると言われています。このアートという言葉には美術や音楽はもちろん、デザイン力や感性、クリエイティブなど、様々な要素が含まれています。

アートは非認知能力が育まれます。これからの時代を生きていく子どもたちにとってこの「非認知能力」は最も重要な能力の1つです。今までの日本ではどちらかというと「認知能力」を育むことに重きを置かれており、学力が唯一子どもの能力を測る物差しでした。

しかし、これからの時代はこうした認知能力よりも創造力や柔軟性、主体性、やる抜く力など、数値化できない非認知能力を持った人間が必要とされています。そういった意味で、アートを学ぶという事はこうした非認知能力を育むために非常に効果的なものなのです。

アメリカのビジネスシーンではアーティストが求められている

アメリカのビジネスの世界では約15年ほど前から「MFA is New MBA(美術学修士は新しい経済学修士だ)」と言われてきました。そして最近のアメリカではMBA(Master of Business Administration:経済学修士)ホルダーよりもMFA(Master of Fine Arts:美術学修士)ホルダーを持っている人が重宝されています。

アップルの創業者のスティーブ・ジョブス氏やYoutubeのチャド・ハーリー氏など世界的に有名なビジネス界の重鎮が若い頃アートを学んでいたことはアメリカではよく知られていますが、昨今のビジネスの世界では論理的なスキルだけでなく、創造的思考が重要視されることが増えてきています。この傾向は今後ますます強くなってくると言われています。

つまりアートの重要性は今まで以上に大切になってくるのです。AIやロボットが台頭してくる近未来の世界では、ビジネスをたんに論理的に捉えるのではなく、直感的に物事をとらえる事の出来る感性や創造力などが必要になってくると考えられています。

「起業家」と「アーティスト」は世の中に「意味と価値」を生み出す存在で、普通の人間が気にも留めないようなことに着目し、それをもとに新しい価値やスタンダードを創り出すことが出来ます。

例えば、上述したアップルのスティーブ・ジョブズ氏を例にとると、彼がiPhoneを発表するまで、スマホというものが我々が必要としていること自体わかっていませんでした。しかし今では、誰もがスマホを使っており、スマホなしでは今の生活は成り立たないレベルにまで浸透しています。

右脳と左脳のハイブリッド時代

このような直観力を働かせることが、起業家やアーティストに必要な能力でしたが、これからの時代は一般のビジネスパーソンにもそうした能力が求められてきます。直観力の右脳的思考と論理力の左脳型思考のバランスを上手く取り入れたハイブリッド型脳が大切なのです。

今の時代、物事の流れが非常に早くなっており、今まで常識とされていたビジネスモデルが突然時代遅れなものになってしまうことが多々起こります。こうした時代に新しいサービスやビジネスを提供するためには、創造的な思考が絶対不可欠です。今までの常識が通じないような世の中では、論理的な思考だけでは決して今後のビジネスシーンで戦うことはできなくなってきます。

こうした世の中の流れを考えると、幼少期からアート力を育んでいくことがいかに重要かわかっていただけると思います。私たちが行っている教育メソッドは、このアートの力を重要視したレッジョ・エミリア教育をベースとしたメソッドを使い、アートを使い子どもの非認知能力を引き出すことを目的としています。

想定外の事が連続して起こるような世界を生きていく今の子どもたちにとって、右脳左脳のハイブリッド型思考力を持つこと、これは人間として生きていく上で必要不可欠な能力になってくると考えております。このことにいち早く気付き、それを行動につなげることが、親として自分の子どもたちにできることなのではないでしょうか。

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