これからの時代の教育のあるべき姿を考えてみる

幼児教育

私は、教育とはその時代や状況によって常に変化するものであり、完璧なものは存在しないと考えております。パソコンやスマホ同様、常にアップデートが必要なものなのです。特にこれからの時代は今までにないほどのスピードで物事が進んでいきます。そうした時代を生きていくには、常に学び続け情報をアップデートしていくことが大切なスキルの1つになります。

教育は各国にとって最も重要な投資になります。未来を担う国民に投資することによって、その国の未来は繁栄する可能性が高まります。反対に、教育に投資しない国の未来はかなり暗いものになる可能性が高いです。

どの時代でも、繁栄する国には必ず「その時代、国の状況にあった良い教育」が提供されています。しかしこの教育投資の結果がでるのに10年単位の年月が必要になるため、先送りされてしまうこともあります。

国は様々な問題を抱えており、目の前の問題を処理するだけでも大変なのに、10年以上先に問題になる可能性があることに対して、今すぐ行動をおこせないという心理は理解できます。しかし、それを放置し続ける事で取り返しのつかない事態に陥ることも理解しておくべきことです。しかもこの問題は、我々の次世代、つまり子どもたちに直結することになります。

子どもたちのためにも、今我々世代が動かなければならないのです。しかし国の動きを待っているだけでは、動きが遅すぎます。我々民間人でもできる事はあるはずです。そこで、弊社では「教育を通じて日本の国力底上げに貢献する」を会社のビジョンに掲げ、今の子どもたちのために微力ながら動いています。今回は、そんな我々の想いや考えを少し共有できればと思っております。

1.幼児教育

上のチャートを見て頂くとわかる通り、人間の脳の発達に関わるほとんどの部分が5歳までにピークを迎えます。感情コントロール、習慣的反応パターン、視覚、聴覚、言語力、などは2歳児までにピークを迎え、社会的スキルや数字に関する力は3歳ごろにピークを迎えます。つまり、この時期の子どもたちは、人間の基本的要素のほとんどを形成する大切な時期なのです。

2018年に約10年ぶりに保育所保育指針の改訂がありました。今日本が求めている幼児教育の1つが、「子どもの非認知能力を引き出す」ことです。自分で考えて行動できる、主体性を持った子どもに育てるということを目的に、今までの日本の教育とは違った方向にかじを切りました。

私たちは、そうした日本が今求めている教育を子どもたちに提供するために、レッジョ・エミリア教育に日本の風土や文化をアレンジした独自のメソッドを考案し、提供しています。このメソッドも完成することはありません。教育は常にアップデートされるものですから、それに従ってメソッドもアップデートされる必要があるのです。

2.小学校教育

2020年から小学校の新学習指導要領がスタートしました。ちなみに2021年から中学校、2022年から高等学校の新学習指導要領がスタートします。新学習指導要領のキーワードは「アクティブラーニング」です。

いままでのように先生が教壇に立ち、板書したものを生徒がノートに書き写す、いわゆるパッシブラーニングだけでなく、その上でアクティブラーニングが必要になってきます。決してパッシブラーニングが不要なわけではなく、パッシブの上にアクティブがあると考えてください。

現在小学校ではこのアクティブラーニングを浸透させるために学校の先生は日々奮闘されていると思いますが、今までの教育と正反対の教育が実際に現場に馴染むまでには相当な時間がかかるのではないかと推測されます。

そこで私たちは、アクティブラーニングできる小学生向け学童的な仕組みをある地方自治体と共に動くプロジェクトを進めています。そこで学べるものは座学ではなく、体験です。

例えば大工さんと一緒に子どもたちが作りたい家具を提案し、図面をつくり、その素材を一緒に探しに行き、実際に組み立てます。出来上がった「商品」を実際に販売まで行うことによって、製造業の流れを「体験」できます。売上からかかった材料費と人件費を引いた利益という概念も「体験」できます。

上記はあくまでも例の1つに過ぎませんが、こうしたリアルな体験を通じて、子どもたちは色々な事を学ぶことができます。図面をひくときに数学的要素も学べるし、家具の提案からは他人との協調性、コミュニケーション能力を学べます。こうして認知能力と非認知能力の両方を学ぶことが出来る場所を提供していこうと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました