なぜ日本人は血液型で人を判断したがるのか?

思う事

日本人で「血液型何型?」という質問を今まで受けたことがないという人はいないと思います。しかし海外、特に欧米では、献血など血液型を知る必要がある場合を除いて、人の血液型を聞くことはほとんどありません。

結論から申しますと、血液型と性格の関連性に科学的根拠がないことが、2014年の縄田健吾博士の研究結果により明らかにされました。これは日本とアメリカの計1万件のデータを元に研究されました。

血液型と性格に全く関連性がないことが分かったにも関わらず、「ブラッド・ハラスメント」についての事例もまだまだあるのが現状です。ブラッド・ハラスメントとは、血液型性格診断による嫌がらせや差別のことを言いますが、例えば就職する際に受ける面接の際に、就職希望者の血液型を聞いて、その人のパーソナリティを判断する要素として使っている企業も存在します。

では、なぜ日本では血液型診断がここまで市民権を得ているのでしょうか?もちろん色々な理由があると思いますが、その主な理由は「日本人はカテゴライズする事が好き」な民族だからだと思います。

カテゴライズ好きな日本人

日本では、テレビで出身地による県民性を紹介するような番組があったり、勝ち組・負け組、肉食系・草食系、○○系ガール、○○系男子など、色々なところでカテゴライズされていますね。あとは朝の情報番組でも血液型や誕生月に分けてその日の運勢を放送しています。ここで言いたいのは、それを信じるかどうかの話ではなく、こういった情報が日常にあふれている、つまり日本では日常的にカテゴライズする傾向のある国であると言いたいのです。

ただし、人をカテゴライズするときに気を付けるべきことに、その人の出身国や宗教などがあります。「○○人は☓☓だ。」と決めつける事は差別につながります。冒頭で話した血液型で人の性格をカテゴライズすることもブラッド・ハラスメントというように、度が過ぎると差別であると捉えられてしまう可能性こともあるので、注意が必要です。

とにかく、他の国と比べても日本人はカテゴライズすることを好む傾向にあります。カテゴライズする主な理由の背景に、人間の「不安」という感情が隠れています。

不安がカテゴライズを助長する

自分は、どのカテゴリーに属する人間なのか?と不安になることがあると思います。本来であれば、人間をカテゴリ―分けする事なんてできないし、全く無意味な事にも関わらず、多くの人がカテゴライズしています。

カテゴライズする人の心理には人間の優劣という要素が含まれています。もし自分が他の人よりも優位なカテゴリーに属している場合安心します。反対に、他の人よりも劣るカテゴリーに属した場合は不安になります。つまり、日本人は知らず知らずのうちにお互いを比較してしまう傾向が強いのです。

本来人間は唯一無二の存在なので、カテゴリーに分類すること自体がナンセンスです。自分で考えて信念をもって行動すれば、他の人にどう思われようが関係ないのです。自分の人生は自分のものであり、他人のものではありません。

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