2歳児の発達における目安について

発達・発育

子どもが2歳になると成長の速度が速まるので、ほぼ毎月子どもに大きな変化がみられる可能性があります。この頃の子どもは自我が芽生えはじめ、自分の事を自分でやってみたくなり、ある程度の独立性を持ち始めるでしょう。そして今までよりも多くの事に対して興味を示し始め、親の助けなしに行動をしたくなってきます。

身体的発達について

子どもが2歳頃になると、自分が新しくできるようになった動きなどを披露したくて貯まりません。走る、登、投げる、蹴るなど今まで出いなかったことができるようになるのが2歳から3歳にかけての頃です。

また手先が器用になってくる事に気づくでしょう。これは子どもの微細運動能力が向上して起こる事です。鉛筆やクレヨンをもって線を引いたり円を描いたりすることが出来る様になってきます。

身体的発達の目安

  • 総運動能力:子どもの筋力が発達するにつれて「登る」スキルも発達してきます。2歳になると家具を乗り越えたり、ボールを蹴ったり、短距離を走れるようになります。
  • 微細運動能力:落書き、ペイント、4つほどのブロックの積み重ね、丸や四角の形を同じ形をした穴に入れる事が出来る様になります。
  • その他:今までのぎこちない歩き方から、より大人の様に歩くことが出来る様になります。歩いてよろけたり倒れたりすることもなく、助けなく階段を上ったり下りたりできる様になります。

実践ヒント

2歳になると親であるあなたが子どもの遊びの準備をしてあげる必要はありません。2歳児はあらゆる環境を遊び場に変える事のできるプロフェッショナルです。ただし、子どもの運動能力が向上しているので、子どもを危険からしっかり守るための注意が今まで以上に必要になります。

感情的発達について

2歳児はよく「魔の2歳児」と言われます。英語では”Terrible Two”と呼ばれ「ひどい2歳児」と日本語とほぼ同じ様に使われています。2歳児になるとかんしゃくがひどくなり始めます。イライラしたり同様したり疲れたり、お腹がすいた時に自分を表現する方法を学んでいるのです。

2歳児はまだ言語能力が高くないため、自分の気持ちを上手に伝えることができません。そのため、自分の感情や伝えたい気持ちを表に出した結果、地面に寝転んで泣きわめいたり、叫びだしたりするのです。これらの行動は幼児発達において通常の事なので、親であるあなたはイライラするのではなく、子どもがしっかりと成長しているんだなと認識して上げてください。

感情的発達の目安

  • 悲しみや怒りなど様々な感情を見せます
  • 自分で服を着れたり、一人で何かできると気分が良くなります
  • 衝動、感情、行動をコントロールしようとするため感情の起伏が激しくなります

実践ヒント

自分で服を着ようとしている時や頼んだことをやったりする時など、子どもの良い行動に対して褒めてあげましょう。そうすることで子供たちは自分にはそういった能力があるんだと認識することによって、自尊心を高めていくことになります。

社会的発達について

ほとんどの2歳児は本質的に「自己中心的」です。なぜならば子どもたちは、他の人たちがそれぞれの考えや懸念をもっているという事を理解できないからです。この頃の子どもは、世界は常に自分と自分のニーズを中心に回っていると考えています。

ですので、いわゆる「ギブ&テイク」や「お友達と仲良くおもちゃをシェア」といった事が出来なかったとしても、何も驚く必要はありません。なぜなら上述したように、この頃の子どもたちは、全て自分中心に世界が回っていると思っているからです。

しかし、そうはいっても2歳児の子どもたちは他の人の周りにいる事が大好きです。そして人の周りにいる事は、子どもが社会的相互作用を学ぶためには絶好の場所なのです。

社会的発達の目安

  • 他人の行動や言動を真似し、自分が慰めされた方法で友達を慰めようとします
  • ごっこ遊びに熱中します
  • 相手の反応を伺うため、ときどき反抗的な態度を取ります

実践ヒント

他の子どもとできるだけ関わらせたり遊ばせたりしてください。噛んだり手が出たりするなど、危険な場合は親が即介入して辞めさせるべきですが、基本的には子どもたちだけで遊ぶ練習をする機会を与えてください。そうすることによって、友達と仲良くする方法を自分たちで学んでいきます。

認知能力の発達について

2歳になると、1つのおもちゃを単に別の場所に動かしたりするといった今までの遊びと比べて、より創造的なゲームを自分で考えたり、色々な遊びを組み合わせたり複雑な遊びをし始めます。これは子どもの心がより多くのつながりを作って、形の違う物があることや違うアイディアがあるなどを理解し始めているという事になります。

言語と言葉

子供の成長速度には個人差がありますが、通常2歳の誕生日を迎えるまでに少なくとも50語の単語を習得しています。基本的には女の子の方が男の子よりも成長速度が速いと言われています。そして3歳の誕生日を迎えるまでには、3語で構成された文章を話すことが出来る様になっています。

遊び

遊びの時間は子供にとって物事がどのように機能するのかなどを探求したり試したりする大切な時間になります。子どもの探求心を満たすためにも、できるだけ多くの遊び時間を作ってあげるようにしてください。

探求心から、子どもはブロックで塔を作っては壊してを繰り返したりすることを楽しみながらするでしょう。同じ行動を繰り返すことは子どもの成長にとって非常に大切な事なのです。親としては、早くこの段階から抜け出してもらいたいですけどね…

認知能力発達の目安

  • 「おもちゃを拾って、こっちに持って来て」」の様な段階コマンドを理解します
  • 単語を組みわせて簡単な文章をつくれるようになります
  • 好きな本の好きな文章を暗記できるようになります

実践ヒント

2歳児くらいの子ども向けの面白いテレビ番組やコンテンツはたくさんありますが、この頃の子どもにはテレビを含めたスクリーン時間を1日1時間程にしておくべきでしょう。子ども向けでわかりやすい番組は、子どもがその内容を理解して、それを日常生活に適用することができるのをサポートする事にもつながるので、親御さんと一緒に番組を見ることを前提にテレビを視聴しましょう。

その他の発達について

2歳児は夜11時間は寝ることが出来ます。もし11時間以下の睡眠しかとらない場合、良い睡眠習慣が取れているか、睡眠に関する発達が適切かどうかを確認してください。ただし、この年齢の子どもはストレスや病気の時、または何か新しい事を学んだ時など、夜目を覚ましやすくなることもあります。

2歳児の子どもはお昼寝を2回する場合もあれば、1回長時間のお昼寝をすることもあるでしょう。こうした決まった時間にお昼寝が出来るという事は、子どもが十分な睡眠をしていることを意味します。

どんな時に相談するべきか?

繰り返しになりますが、子どもの発達速度は個人差があります。しかし、潜在的な発達上の問題につながる可能性のある事もいくつかあります。米国の疾患管理予防センターによると、子どもに次のような症状や行動が見られた場合、医師に相談する事を勧めています。

  • 歩き方が不安定な場合
  • 他の人の動きや言葉を真似しない場合
  • 簡単な指示に従うことが出来ない場合
  • 以前で来ていたことが出来なくなった場合
  • 電話、スプーン、歯ブラシなど一般的なものの使い方がわからない場合
  • 「お茶、もっと」のように2語の単語で話すことが出いない場合

最後に

2歳になると子どものできる事や知識は急速に成長します。ただし、子どもは遊びを通じて多くの事を学んでいきます。子どものやっている全ての活動において、色や形をしっかり学ぶといった「結果」だけにこだわる必要はありません。その代わり、子どもたちが自分たちでやりたい事を自分で探させて遊べる環境を提供して上げましょう。

料理や家事をしている時に、今何をしているかを子どもと頻繁に話してあげてください。子どもと話すとき、できるだけシンプルな文章で話すように心がけて下さい。しかし、あまり赤ちゃん言葉や幼児語を使うことは避けるようにしてください。

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