子どもにお金の教育は必要か?

子育て方法

日本ではお金の話をすることがタブーとされがちです。学校でも会社でもお金に関してしっかり学べる場所はありません。生きていく上で、最も大事な学問になり得る「お金」に関して何も学ばないで社会に出る事は、非常に危険なことだと思います。

高度成長期の日本では、お金の知識がなくてもお金は増えました。郵便局の10年定期預金の金利が8%~12%もあったのです。良い大学に行っていい会社に就職して出世すれば人勢は安泰だったのです。

しかし平成に入ってから日本経済は落ち込み、いまだに回復の兆しが見えません。銀行の金利も0.001%、ゆうちょの10年定期預金でも0.002%です。高度成長期の時の1/5,000です。昔は1000万円預けていたら、1年で100万円の金利がついたのですが、今では200円です。今まで当たりまえとされてきた貯金をしても何の意味もありません。

子供にお金の教育が必要な理由

高度成長期の時代では、年功序列のシステムがしっかりと社会に適合しており、毎年給料が増え、まとまった額の退職金が支払われ、そして十分な年金がもらえました。さらに上記でお伝えしたように、貯金さえしていれば年間10%ほどの金利がついたので、会社さえ辞めないでいれば、お金のことを学ぶ必要はありませんでした。

しかし、現在では年功序列のシステムが破綻し、もはや国と会社に頼ることが出来ない世の中になりました。つまり自分で自分のお金を守って資産を増やしていく方法を学び実践しない限り、今の高齢者が当たりまえに送っている「老後の生活」を送ることは到底できなくなってきます。

つまり今の子どもたちが早い段階から資産運用に対する勉強をして、社会に出てからすぐに資産運用をしていくことによって、自分の老後を守ることが出来るようになると思います。

日本人の貯蓄率が高い理由

上記のチャートを見て頂ければわかりますが、欧米諸国に比べて日本人の貯蓄率は非常に高いです。アメリカと比べた場合、日本の貯蓄比率と株式等への投資比率が逆になっています。アメリカ人は基本的に株や投資信託などで資産運用することをベースにポートフォリオを形成しています。アメリカの銀行は日本よりは相当マシですが、それでも金利は1~2%ほど、投資信託などであれば4~5%で運用する事も可能なので、長期間投資をすることを考えれば自ずと何にどの位お金を振り分けるのかがわかります。

このポートフォリオをつくるにも、やはりマネーリテラシ―が必要になるので、知り合いが株に投資をしているから、友達が不動産投資をしているから等の理由で安易に投資を始めると危険です。まずは投資をするために勉強をしてリテラシーの向上を目指しましょう。

話は戻りますが、日本人の貯蓄率が他国に比べて高い理由は、「貯金以外に何をすればいいのかわからない」というのが正直な気持ちだと思います。本来であれば投資信託などに投資をすれば銀行の5000倍以上の利回りで運用できる可能性があるのですが、「知らない=恐怖」という考えから行動に移すことが難しいのだと思います。ですので、まずは恐怖心を払しょくするためにも知識武装してみてはいかがでしょうか。

子どもにお金について教える方法

子どもにお金のことを教えると言っても、実際に何をどうやって教えていけばいいのかわからないと思われる方も多いのではないかと思います。もちろん、子どもの年齢によって教えられることは全く違ってきます。未就学児に対するお金の教育方法もたくさんあるのですが、今回は小学生向けに私が実際にやっていることを踏まえてお話しできればと思います。

私が実践しているお金の教育は、長男が小学校1年生になった時に始めました。まず教えたのはお金のことではなく、会社という組織について話をしました。会社というものは株主というオーナーがいて、会社はオーナーのものであること、そのオーナーが会社の運営を任せる人が社長だということを教えました。

そして実際に私が現物出資としてコーヒーマシンを購入して、疑似法人を立ち上げ、その会社の社長として息子に運営を託すことにしました。この段階で息子は自分が社長という立場であること、父親である私がその会社のオーナーであることを理解しました。

その次に教えたことは「収入」と「支出」についてです。コーヒーマシンは用意しただけではビジネスは成り立ちません。コーヒー豆や牛乳、水などの仕入れが必要になります。それらの仕入れ代金は息子のお年玉から購入しました。はじめは自分のお金が減ってしまうことに対して怒っていましたが、仕入れをすることによって物を販売する準備ができる事を理解させるためには通らなければならない事です。

そして実際に必要なものを仕入れて、いざコーヒーの販売を行います。コーヒーの値付けも自分で決めさせました。スタバや他のカフェに行ってコーヒーがいくらぐらいで売られているのかをリサーチさせ、それら競合するお店と比べて自分のカフェではいくらでコーヒーを売るのかを考えさせました。

私もアドバイスをしましたが、最終的に息子の出した答えはコーヒー一杯200円でした。理由としてはメイン顧客になる私が毎日コーヒーを飲んでいるから、購入しやすい金額である必要があること、コーヒー豆などの仕入れ額以上の売上を上げるための金額であることです。

そして実際に私がコーヒーを購入し、200円を息子に支払いました。その売り上げをノートに記載させるのですが、小学生レベルでは「支出」「売上」欄をつくらせて、お財布から出たお金は「支出欄」に書く、お財布に入ったお金は「売上欄」に書くことを教えました。

日々コーヒーを売っていく中で、息子の財布にどんどん100円玉が増えていくのをみて喜んでいたのですが、コーヒー豆がなくなったので再度豆を仕入れる必要があることを伝えました。そうするとお金がたくさん入っているお財布から3000円(コーヒー豆1キロ)ものお金が出ていくことになります。初めてこの状況を経験した息子は「えー!」と驚いていました。せっかく貯まったお金が突然少なくなるので、ショックだったようです。

この時に私は息子に「利益」という概念を教えました。会社には「売上」という数字と「利益」という数字があること、そして会社では「利益」こそ一番大切な数字であることを伝えました。いまではいかにして利益を上げるかを自分なりに考えて試行錯誤していますが、会社の仕組みやお金の流れの基本を教科書ではなく「体験」から学んでいるので、彼自身の身になっていると思います。

このようにして座学で教えるよりも、実際に体験させることによって子どもは物事を吸収していくので、お金の教育を考えたときには、こうした実践をさせる事が一番だと思います。余談ですが、いつもカフェを運営しているお兄ちゃんを見て最近次男がヨーグルト屋を開業したいと言ってきました。上のやっている事に触発されたのでしょうが、非常に良い環境だと思います。次男はまだ4歳なのでもっと基本的なことだけを教えていこうかなと思っています。

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