子どもの発達における父親の重要性とは

子育て方法

歴史的に見ても、親の研究と言えば父親よりも母親が研究対象になる事がほとんどでした。また、母親は子どもにとって1番近い保護者として位置づけられ、父親はどちらかというと遊び仲間的な位置づけをされていました。

しかし、昨今多くの国ではジェンダーの枠割はより公平なものになり、現在の研究では、父親が子どもの発達において多くの重要な役割をはたしている事がわかってきています。

  • 父親は子どもの発達に重要な役割を果たし、子どもの社会的能力、学校での成績、感情コントロールに影響を与える可能性があります。
  • 父親は、間接的に子どもの幸せに影響を与える可能性があります。親同士の協力関係は、子どもの主体性の改善につながります。
  • ノルウェーやスウェーデンなどの国では、父親と母親の両方に育児休暇を提供することで、父親と母親を平等に子育てできるように工夫しています。

子どもの幸せに対する父親の直接的、間接的な影響とは

父親の存在は母親を助けるだけでなく、子どもたちにとっても非常に重要な役割を担います。例えば、感性豊かで協力的な父親を持つ子どもは、より高いレベルの社会的能力とより良い人間関係を持つことが出来ます。

父親が子どもが学べる教材や素材などを用いて、子どもたちと一緒に話をしたりする場合、その子どもたちは学校で良い成績を取ることができ、高度な言語スキルを身につける事が可能性が高くなります。

たとえ子どもと父親が一緒に住んでいない場合でも、父親は父親としての役割を果たすことが出来ます。子どもと父親が一緒に住んでいるかどうかに関係なく、父親と定期的に会い、コミュニケーションをしている子どもは、父親と定期的に会わない子どもよりも感情をうまくコントロールすることが出来るようになります。

親の離婚、父親の単身赴任、仕事の激務で平日は子どもと全く会えないなど、ご家庭によって様々な事情はあると思いますが、ここで大切なことは、父親がいないことが子どもの身体的、認知的、感情的、社会的ニーズを満たすことにあまり影響しないという事です。母親と父親の愛情が子どもにとって一番大切なのです。

父親が子どもに与えることが出来る直接的な影響に加えて、父親は子どもの母親との関係を通じて間接的に子どもの幸せに影響を与える事も出来ます。両親のケンカ、特に問題が解決できないような場合は、子どもの幸せに悪影響を及ぼします。

対照的に、父親と母親の中が良い家庭環境で育った子どもは、しっかりと自主管理ができ問題行動が少ない傾向があります。家族とは親と子だけの関係というのではなく、父親、母親、子ども全体がシステムとして機能しているのです。

家族構成

両親が子どもの生活に関わっている場合、2人の親はいろんな方法で子どもの幸せに貢献できる可能性があります。例えば、子育ての効果は付加的(より多くの人からのより多くの愛を受ける事が子どもにとって良い)であり、または緩衝的(一方の親が厳しく対峙したとき、もう一方の親がケアすることによって相殺される)であるかもしれません。

別の例えでは、親のどちらかが子どもの管理(子どもがどこに行ったか把握しているなど)をしていれば、もう一方の親は必ずしも子どもを管理する必要はありません。

家族構成に関係なく、子どもたちは身体的ニーズを満たし、認知的刺激を受け、愛されて自分が受け入れられていると感じる必要があります。父親、または母親が子どもの生活に関わっていない場合、別の大人がこれらの機能を果たすことが出来ますが、実際に行う親代わりの大人は保護者としての役割をしっかりと果たすことが必要とされます。

父親のための社会的政策

父親に対する社会的政策支援は国によって違ってきます。一部の国では依然として母親が子どもの主な保護者として見なされており、育児休暇の対象となるのは母親だけです。また別の国では、出産または養子縁組後の父親と母親の休暇を提供する政策を行っており、父親と母親を平等に子育てに従事させようと試みています。

例えばフィンランドやアイスランド、ノルウェー、スウェーデンなどの北欧エリアの国々では有給の育児休暇と母親の休暇がて提供されており、父親の休暇を単に母親に譲渡するという事はできないようになっています。

日本でも父親の育児休暇が一般に広まってきていますが、実際に育児休暇を取得する父親の数はあまり多くありません。今後、父親の育児休暇を取るかどうかを本人に確認する事を義務づけるなどの話もあるので、日本でも父親の育児休暇がより一層広まっていけばいいと思います。

父親が育児休暇を利用して子どもの世話に時間を割くことが出来るようになると、父親は自分自身を母親と同じように子どもにとって重要な親であることを認識する可能性が高くなります。そして子どもは父親と母親の両方の親とより公平な関係性を築いていくことが出来るようになります。

父と子の幸せ

父親は子どもの幸せにとってとても重要です。感性が豊かで協力的な父親は、子どもの身体的、認知的、感情的、社会的適応力に貢献する事が出来ます。父親はまた、母親や他の大人と協力して子どもの幸せに影響を与える事ができるため、家族全体のシステムの一部として父親と子どもの関係を理解することが重要になります。

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